乳幼児を伴う路線バス利用の際の障壁に関する研究
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25 4.まとめ 本研究で得られた知⾒を以下にまとめる。 【⼦育て世代の交通⾏動とバス利⽤】 • 普段バスを利⽤している⼈であっても、⼦供を連れての外出時にバスを利⽤するという回答割合は半数程度に留まっており、バスを習慣的に利⽤していても⼦連れでのバス利⽤には抵抗感が⼤きいと⾔うことがわかった • ⼀⽅で、毎回バスを利⽤して外出するという回答も16%程度存在していることから、⽇常的に⼦供を連れてバスに乗っている⼈も存在していることがわかった • ⼦供の誕⽣によってバス利⽤から他の交通⼿段に転換した⼈の多くが⾃家⽤⾞への転換となっていることがわかった • こうした⼈に、バスの利⽤環境が⼗分に整っていればバスを利⽤し続けたかどうかを質問した結果、⾃動⾞へ転換した⼈の転換を⾷い⽌めることは困難であるが、家族の送迎や徒歩・⾃転⾞に転換した⼈はバス利⽤を継続する意向が少なからずあったことがわかった • ⼀⽅で、⼦供が産まれたことによって新たにバス利⽤を⾏うようになった⼈も存在することがわかった 【⼦供連れでのバス利⽤への不安】 • ⼦育て世代と⼀般バス利⽤者を⽐較した際、バス利⽤への不安感が⼤きく異なった項⽬は、「バス停でバスを安全に待つことが出来ないこと」、「乗り降りするときにバスとバス停の間に段差があること」、「バスが混雑しているかもしれないこと」、「⾃分が乗り降りすることに時間がかかってしまうかもしれないこと」の4項⽬において顕著であった • 他の項⽬においては、⼀般利⽤者と⼦育て世代との間に不安感の⼤きな差異はあまり⾒られなかった 【⼦供連れでのバス利⽤環境整備の重要性】 • ⼦供連れでのバス利⽤環境整備の重要性については、属性によって⼤きく重要度が異なるという項⽬はなかったが、「周囲の利⽤者への意識啓発」や「事業者への教育」については、⼦育て世代でバスをよく利⽤する⼈ほど重要とは考えない傾向が⾒られ、直感的な理解と逆の結果となった

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