日報データによるタクシー利用特性に関する研究
9/82

7 デジタル⽇報データの概要 対象地域におけるタクシー台数を表 3-2に⽰す。本研究で取り扱ったデジタル⽇報データは、豊橋市内に営業所を持つタクシー事業者2社・236両のものである。これは、対象地域内で営業を⾏っている法⼈タクシー⾞両(4社・312両)のうち、データ取得期間においてデジタコが導⼊されている全ての⾞両のものであり、全⾞両に占める割合は75.6%である。なお、豊橋市には個⼈タクシーが約40両存在するが、これらについては分析対象としていない。 表 3-2 対象地域におけるタクシー台数 台数 デジタコ導⼊率 A社 195 導⼊済み B社 41 導⼊済み C社 40 未導⼊ D社 36 未導⼊ 合計 321 236 (75.6%) ※2015年3⽉末現在 ⽇報データの取得期間は2014年4⽉1⽇〜2015年3⽉31⽇の1年間であり、この間に対象地域で乗⾞もしくは降⾞したデータは1,016,730件である。このうち、GPS測位エラーなどによって乗降地点が把握できないものを除いた1,002,816件(全データの98.63%)を分析に⽤いた。集計の際には深夜の利⽤を考慮して、午前5時台〜午前4時台を1⽇間とした。 デジタル⽇報データによる分析の妥当性 対象地域におけるタクシーの流動を把握するためには、デジタル⽇報データのみならず、⼿書きのものを含めた全てのタクシーの⽇報を集計・分析することが理想的である。しかしながら、⼿書き⽇報データの分析のためにはデータの⼊⼒や記載内容の判読という多⼤な労⼒を必要とするため、⾮現実的である。デジタル⽇報データであればこうした労⼒は伴わないが、デジタル⽇報データのみで対象地域の全てのタクシー流動を⼗分に表現できるかどうかについて確認する必要がある。そこで、1週間分の⼿書き⽇報データのみを電⼦化し、これを含めた全⽇報データと、通年のデジタル⽇報データとの相関を確認する。 天候や連休などの影響を受けにくい6⽉の1週間(2014年6⽉9⽇〜15⽇)を対象に、デジタコを導⼊していない2社、76両の⼿書き⽇報を電⼦化したところ、5,502件のデータを得られた。また、この間のデジタコ導⼊済みの2社のデジタル⽇報データは19,639件であった。このことから、これら輸送件数は概ね当該地域におけるデジタル⽇報の導⼊率を反映しているといえる。これらのうち、乗降地点が把握できなかったものを除いたサンプル数を表 3-3に⽰す。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る