多様なモビリティ共存による低炭素交通の実現~ 次世代自動車の普及施策とその効果に関する検討 ~
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11.はじめに 1-1.研究の背景 2015年12月12日、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において、パリ協定が採択された。図 1-1にパリ協定の構造を示す。パリ協定は、以下の特徴を持っている点で、これまでの温暖化対策とは異なる国際レベルの歴史的な合意であると評価されている。 (1) 長期目標の設定 (2) すべての国による長期目標の実現に向けた温暖化対策 (3) 各国における温暖化対策の強化、資金・技術支援の強化 (4) 国際社会全体で温暖化対策を着実に進めるための仕組み 図 1-1 パリ協定の構造1) しかし、2030年に向けて、各国が提出している温暖化対策の目標を足し合わせても、2℃目標の達成にはほど遠いことがわかっており、世界全体の温暖化対策のレベルの引き上げをどのように実現させていくかという大きな問題も残っている1)。

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