多様なモビリティ共存による低炭素交通の実現~ 次世代自動車の普及施策とその効果に関する検討 ~
36/48
334-4.購入補助金効果の検討 補助金によるHV普及の効果を検討するため、補助金を支給した自治体と支給しなかった自治体で、2009年3月から2012年3月のHV保有率の伸びについて、差の検定(片側t検定)を行った。 ・補助無し自治体の保有率平均:1.5% ・補助有り自治体の保有率平均:1.7% その結果、有意水準5%で、補助金なし自治体のHV保有率が補助金有り自治体のHV保有率より高いという帰無仮説を棄却することはできなかった。すなわち、補助金有り自治体のHV保有率の方が、補助金なし自治体のHV保有率より高いとはいえない結果となった。検定結果を以下に示す。 基本統計量変 数n平 均不偏分散標準偏差標準誤差1:補助金なし自治体HV保有率450.01533.48E-060.00190.00032:補助金あり自治体HV保有率90.01657.18E-060.00270.0009 t検定の結果(片側検定/対立仮説:「変数1」<「変数2」)統計量:t自由度P 値1.6102274520.0567014 また、2009年3月のHV保有率を自治体の指標(X軸)として、2009年3月から2012年3月までの保有率の伸びとの関係をみた散布図を図 4-2に示す。この2つには正の相関がみられ、2009年3月のHV普及率が高いと、補助金有無に関わらず普及率の伸びも高いことがうかがえる。定性的な分析ではあるが、これから、補助金の有無が、2009年3月から2012年3月までの普及率の伸びに影響していないことが推測される。 同様に、2012年3月のHV保有率を自治体の指標(X軸)として、2012年3月から2016年3月までの保有率の伸びとの関係をみた散布図を図 4-3に示す。補助金を実施している自治体は、みよし市と刈谷市の2自治体のみである。伸びが低い豊根村(1.6%)、伸びが高いみよし市(3.4%)、飛島村(3.4%)を除き、その他の自治体の伸びは2.4%~3.1%に集中している。これも、定性的な分析ではあるが、2012年度以降も補助金を継続的に実施したことで、他の自治体よりも保有率の伸びが大きかったとはいえないと考えられる。
元のページ
../index.html#36