自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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937-2-4.自動運転に係る事故による被害者救済86) 自動運転に関わる事故の被害者に対する損害回復が速やかに行われるためにも、各種の保険商品の開発や自賠法制度の検討が進められている。 (1)開発された自動運転用保険 2016年11月に、東京海上日動火災保険は、「被害者救済費用等補償特約」を開発した。これは、各種自動走行システムが進展する環境下においても迅速な被害者救済を実現するための保険である。世界的にも先進的な事例であると言われる。この保険は、自動運転車の事故において、事故原因が特定されなくとも保険金を支払うことになるため、保険会社は自動車メーカー等に求償できない可能性もある。保険会社の戦略としては、リスクを取って自動運転関係保険の分野での主導権を狙っている可能性も考えられる。 (2)自動運転における損害賠償責任に関する研究会 国土交通省は、自動運転における自動車損害賠償保障法(自賠法)の損害賠償責任の課題について検討がなされている。2017年3月には今後の検討の方向性が取りまとめられる予定である。 図 7-3 自動車損害賠償保障法における検討事項87)

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