自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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79 自動運転に対する賛否意識を用いて各クラスターの特徴を確認する。図 6-1にその結果を示す。自動運転が普及することに最も肯定的な考えを持っているのは心配有・積極的利用群(C1)である。反対に、最も否定的な考えを持っているのは、普及反対群(C6)である。心配有・積極的利用群の次に肯定的な意見を持っているのは技術認知・積極利用群(C2)であり、次いで関心期待有・非利用群(C3)、関心有・非認知群(C4)、無関心群(C5)の順となっている。 55%20%22%4%8%1%19%33%51%38%46%22%6%35%10%23%24%35%43%27%26%2%5%12%12%22%34%13%1%2%4%2%6%32%6%0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%C1(N=209)C2(N=239)C3(N=231)C4(N=274)C5(N=143)C6(N=154)全体(N=1250)とても賛成どちらかというと賛成どちらでもないどちらかというと反対とても反対 図 6-1 クラスター別の自動運転の普及に対する賛否意識 6-5.分析結果の考察 (1)自動運転に対する態度から見た各クラスターの特徴 前節でのクラスター分析により得られた群別の、利用場面や期待などの自動運転に対する態度の詳細なデータを用いて、それぞれの群の自動運転に対する態度の特徴を分析する。 1)自動運転に期待する効果 C1とC2が全体の平均よりも効果を期待する傾向がある(表 6-5)。渋滞緩和や交通事故削減、環境負荷削減、高齢者や過疎地の移動手段確保などの社会的な効果については、C1とC2の両方が高い傾向がある。一方、C1が特に期待する効果は、呼び出し可能であることや運転者負荷軽減、セカンドタスクである。C1とC2は両方とも社会的な効果を期待しており、特にC1は個人的な効果も期待していると言える。C6は特に特に効果を期待しない傾向にある。 2)自動運転の利用場面 C1はすべての利用場面で利用意向が高い傾向にある(表 6-6)。この利用意向の高さが、自動運転の普及に賛成する傾向につながっていると考える。次いで利用意向が高いのはC2である。C3、C5、C6は利用意向が低い群であるが、中でもC6の普及反対群は利用意向が低

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