自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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75先進技術への意識は、選択肢の項目について「知っている」か「知らない」かについて質問した回答である。危険運転度は、高齢ドライバーのための安全運転ワークブック(企業開発センター交通問題研究室 日本交通心理学会監修)で提案されている質問を参考にして、自動車運転時の危険な行動に関する10個の質問を行い、当てはまる項目の質問の個数により回答者を5段階に分類した指標である。値が大きいほど危険な運転を行う傾向にあることを意味する指標である。補償運転度は、危険運転土と同じく、高齢ドライバーのための安全運転ワークブックの質問を参考にして、悪天候時の運転や疲労時の運転等、危険が予測されるような状況下での運転に関する10個の質問を行い、当てはまる項目の個数により回答者を5段階に分類した指標である。値が大きいほど補償運転を行う傾向にあることを意味する。 3)クラスター分析 因子分析の結果得られた各サンプルの因子の因子得点を用いて、クラスター分析を行う。その結果により回答者を複数のカテゴリに分類し、各カテゴリに含まれるサンプルの特徴について、因子得点やその他の個人属性の集計結果を用いて分析を行う。 6-4.分析結果 (1)分散分析の結果 自動運転に対する社会受容性と個人属性や自動車の利用状況等の変数との分散分析結果を表 6-2に示す。なお、平均値は、社会受容性を表す指標の平均値であり、値が大きいほうが賛成側であることを意味する。 属性間の有意差が確認できたのは、性別、年齢、職業、収入、自動車の主な利用目的、ADAS搭載有無、危険運転度、事故経験の有無、である。 性別については、女性よりも男性の方が自動運転の普及に賛成する傾向があると言える。これには、女性は新しい技術に対して消極的な態度を取りやすいことが関係していると考える。年齢については、有意な差が確認されたものの、年齢の増減と平均値の増減には関連性が見られないことから明確な関係がないと解釈するのが妥当と考える。職業については有職である方が、収入については年収が600万円以上のほうが、自動運転が普及することに賛成する傾向にあると言える。ここで、年収を600万円で区分したのは、日本の世帯平均収入が541.9万円(厚生労働省、2015年80)であることに基づいている。 運転の好き嫌いや運転に対する自信の有無が、賛否意識に及ぼす影響は認められない。ADASを搭載している人が自動運転の普及を賛成する傾向があることは、ADASが先進技術であり自動車を運転する際の安全性や快適性の向上を支援するものであることから考えても、納得できる結果である。 危険運転度や事故経験の有無についても有意な差が確認されている。危険運転度につい 80) 厚生労働省:平成27年 国民生活基礎調査,2016.7.

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