自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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705-6.本章のまとめ 本章の分析で得られた結果を以下に整理する。 AEBSには一定の事故削減効果(本研究の分析では3割程度)が認められた。高齢者では比較的幅広い事故類型に効果がある可能性がある。 AEBS搭載者は、運転をすることが好きで運転に自信を持つ傾向にあることから、運転好きで自信がある人がAEBSを敬遠するわけではない。つまり、AEBSは様々な人に受け入れられる可能性がある。 AEBSの利用意向は総じて高く、非搭載者で搭載意向を持つ人の割合は9割に達し、その大部分が事故抑制や被害軽減への効果を期待している。AEBSは社会に受容されていると言える。 非搭載者のADASへの支払い意思額の平均値は、AEBSの価格と同程度の場合があり、新車への買い替えとともに普及が広がることが期待できる。さらに、非搭載車に後付できる商品が普及すれば、AEBSの普及がさらに進むことも期待できる。 ADASの機能を「車が自動で走行してくれる」ものと誤解されることを懸念する声があるなか、ADASを搭載しているか否かにかかわらず、誤解している割合は小さく、両者の違いはほとんどない。 また、AEBSの作動に違和感を持つ人も一定割合存在する。違和感の解消に向けてさらなる技術の向上が期待される。

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