自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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42.ADASや自動運転を取り巻く状況 2-1.ADASを取り巻く状況 2-1-1.ADASの種類 ADASについて明確に定義したものは見当たらないが、国土交通省が進めてきたASV(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)では、実用化されたASV技術として、乗用車で36種類、大型車で13種類、二輪車で6種類の合計55種類の技術5)が示されている。 主なものとしては、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ(AEBS:Advanced Emergency Braking System)や、車線逸脱警報装置(LDWS:Lane Departure Warning System)、車線維持支援制御装置(いわゆるレーンキープアシスト(LKAS:Lane Keeping Assistance System)、全車速域定速走行・車線維持制御装置(いわゆるオートクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control))、ペダル踏み違い時加速抑制装置などが挙げられる。 本研究では、比較的市場に出回っており運転者が技術を意識しやすいと考える上に挙げた6種類(図 2-1)について、意識調査等を行う際の対象とする。 なお、英語表記や略称については、各メーカーにより異なる故障がなされる場合など、ここに記載した以外の名称が複数存在する場合があるので留意されたい。 また、国土交通省ではこれらの装置や技術をASVと呼称していることが多いが、市場ではADASと呼称されることが多い。本研究では、市場でも広く浸透しているADASの呼称を用いることを基本とするが、主に本章で国土交通省等が作成したASVの呼称を用いている資料を引用する場合にはASVを用いる。 ①衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ:AEBS)②車線逸脱支援装置(レーンキープアシスト:LKAS)③ふらつき注意喚起装置(LDW)④ペダル踏み間違い加速抑制装置⑥全車速追従機能付きクルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール:ACC)⑤バックビューモニター 図 2-1 本研究で取り扱うASV(ADAS)の種類6,7をもとに作成) 5) 国土交通省自動車局先進安全自動車推進検討会:先進安全自動車(ASV)推進計画 報告書 -第5期ASV推進計画における活動成果について- 本編,2016.5. 6) 国土交通省ASV推進検討会事務局:人とクルマの調和による安全安心な交通社会を目指して パンフレット,2016. 7) 独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA):予防安全評価パンフレット,2016.3.

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