自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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655-5.ADASのさらなる普及に向けた検討 ここからは、ADASやAEBSのさらなる普及に向けた知見を得るための分析を行う。まず、運転車はそもそもAEBSを利用したいと思っているのかどうかを把握するための利用意向を分析する。そして、ADASに対する誤解、すなわち、ADASの機能を誤解している人の存在が指摘68)されているが、ADAS搭載者とそうでない人で傾向が異なるのか、およびAEBS作動時に感じる違和感の有無を確認する。さらに、AEBS非搭載者の搭載意向や支払い意思額についても分析を行う。 5-5-1.AEBSの利用意向 AEBSをはじめとするADASを搭載する車両が増えても、運転者がそれらを利用しないと効果は発揮されない。そのため、運転者がAEBS等の利用に対してどのような意向を持っているかを確認する。アンケートでは、AEBSの作動と停止をスイッチでON/OFFできると仮定して、利用するかどうかを質問しており、分析にはその結果を用いる。ここでも、先に分類したADAS等搭載状況別にAEBS利用意向の分析を行う。 結果を図 5-2に示す。どの属性においても、AEBSを「ぜひ利用したい」「利用したい」の回答割合が8~9割存在し、利用意向は総じて高いと言える。特にAEBS積極的搭載者の利用意向が最も高く、反対に非搭載者の利用意向が最も低い。 65%55%47%40%47%26%35%44%45%40%9%11%10%15%12%0%20%40%60%80%100%AEBS積極的搭載(N=194)AEBS消極的搭載(N=197)他ADAS搭載(N=187)非搭載(N=672)全体(N=1250)是非利用利用どちらでもない・利用したくない** ※カイ二乗検定,**:1%水準で有意 図 5-2 ADAS等搭載状況別のAEBS利用意向 68) 一般社団法人日本自動車連盟:ASVの認知度等に関するアンケート調査(2016年2月), http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/environment/enq/2016_02.htm, 2016.

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