自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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62(2)分析結果 以上の考え方でAEBSによる交通事故回避効果を試算した結果、高齢者と非高齢者ともに約28%となった。前述のように様々な留意点は存在するが、AEBSによる交通事故(人身事故、物損事故)の削減効果は今回の分析からは少なくとも3割程度は期待できると言えるであろう。 なお、仮説として設定した「非高齢者と比較して高齢者における交通事故回避効果の方が大きい」点については、今回の結果からは示すことができなかった。調査方法を工夫するなどにより、より的を絞った分析を行うことが求められる。 表 5-1 AEBSによる交通事故回避効果の試算結果 非高齢者高齢者全体(参考)①AEBS搭載者数208人183人391人②①のうち5年以内交通事故(人身+物損)遭遇者数41人23人64人③①のうちAEBSによる事故回避経験者数15人9人24人④事故リスク遭遇者数(②+③)53人※②と③の両方に該当する場合があるため56人にならない32人85人※②と③の両方に該当する場合があるため88人にならない⑤AEBSによる事故削減効果(③÷④)28.3%28.1%28.2% 5-3-2.事故類型別にみたAEBSの交通事故回避回数 (1)分析の考え方 ここでは、AEBSがどのような交通事故で効果を発揮するのかをみるため、交通事故類型別に見た分析を行う。Webアンケートでは、AEBSを搭載していることで事故回避に効果のあった経験の有無を交通事故類型別に質問している。ここではこの回答結果を用いて、交通事故類型別の交通事故回避経験数を、全交通事故類型の交通事故回避経験数で除すことで、より大きな効果が期待できる事故類型を分析する。 また、高齢者と非高齢者で傾向が異なる可能性もあることから、それぞれを分けて分析する。

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