自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
62/99

594-6.本章のまとめ 本章では、ADASや自動運転に対する市民意識や、それぞれに関係する可能性のある項目について、Webアンケートにより把握した。詳細な分析は次章以降で行うが、ここでは本章で行った単純集計レベルで把握できた内容について再整理を行う。 (1)ADASに関する意識 ADASの中でもAEBSやLDWSの搭載率は比較的高いが、ペダル踏み違い時加速抑制装置は搭載率だけでなく認知度も低い。人々の認知度が高まれば搭載率も高まるものと考えられる。 ADASを搭載した理由としては事故予防を期待している割合が比較的高く、また搭載している人のほとんどはADASを搭載していることで安心感を抱いている。一方で、ADAS作動時に違和感を持つ人が少なからず存在することから、さらなる技術向上により違和感の抑制が求められる。 現在はADASを搭載していない人も、大部分がADASの搭載意向を持っている。ADASがさらに普及する可能性は十分にあると言える。 (2)自動運転に関する意識 自動走行が普及した社会に対して賛成する割合は約54%であり半数を超えている。 この賛否意識と様々な自動走行に対する意識の違いを分析した結果、自動走行の利用意向や自動走行に対する期待の有無が賛否意識に強く影響しており、世帯年収や自動走行に対する不安についてはあまり影響しないことが明らかとなった。 自動走行に期待することとしては、高齢者の移動支援や交通事故の削減、過疎地における公共交通の代替、マイカー運転者の負担軽減を比較的多くの回答者が挙げている。また、自動走行を利用したいシーンとしては、車庫入れや長距離の移動、自動駐車を多く指摘しており、特に駐車に対するニーズが高いことがわかる。 第6章では、自動走行に対する意識に影響を及ぼす要因を、様々な要素を考慮して分析を行う。

元のページ  ../index.html#62

このブックを見る