自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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21-2.研究の目的 自動運転の光と影、すなわちメリットやデメリットの整理や、効果や影響の定量的・定性的評価を通じて、自動運転の実現が都市交通にどのような影響を及ぼすのかを検討することを目的とする。そしてその成果から、自動運転の市民理解を促進し,受容性の醸成に寄与するために自動運転時代の社会像(ビジョン)を提示する。研究は2ヶ年で行うことを予定する。 そのため、1年目である本年度の研究では、自動運転普及による光と影を交通安全に限らず幅広く整理するとともに、自動運転の機能を構成する先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistant System)の導入効果や利用者評価、導入意向や、自動運転に対する人々の評価を把握し、自動運転の普及に向けた基礎的知見を得ることを目的とする。 なお、自動運転はその自動化レベルによって1から4の段階に分類されている(表 2-4)が、本研究で主に対象とする自動化レベルは、レベル4の完全自動運転とする。 ※平成29年3月時点において、日本国内の自動化レベルの分類を、米国SAE(Society of Automotive Engineers)が提案する定義(自動化なしのレベル0から完全自動化のレベル5)に準拠するよう見直す動きがある(図 2-7参照)。 1-3.研究の流れ 第2章では、ADASや自動運転を取り巻く状況を、文献調査により概観する。第3章では、自動運転に関する既往研究をレビューするとともに、それらに基づいて自動運転の光と影を整理する。 第4章では、市民を対象としたアンケート調査を行い、ADASや自動運転に対する意識等を把握する。そのアンケート調査結果を用いて、第5章ではADASの普及に向けた方策を検討し、第6章では自動運転の受容性に影響する要因に関する分析を行う。 第7章では、自動運転に関わる諸問題を概観した上で考えられる方策について触れ、最後に第8章で本研究のまとめを行う。

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