自動運転普及がもたらす都市交通への影響調査
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162-2-3.自治体等の取り組み (1)石川県をフィールドとした取り組み 石川県では、全国に先駆けた公道での自動運転自動車の実証実験や、路車間の協調による自動運転を実現する低速で走行する自動運転車両の実証実験等が行われている。 金沢大学は、珠洲市において大学が実施するものとしては全国で初となる自動運転の公道走行実証実験を2013年2月に実施した。その後も、走行経路の拡張(距離の延長や大規模エリアでの実証)などを行い、実験を継続している。 輪島商工会議所は、自動運転による電動カートを用いて実際に乗客を輸送する実証を行っている。自動運転技術だけでなく、地方部における移動手段確保の取り組みとしても注目すべき事例であることから、現地を訪問して調査を行った。その概要を以下に整理する。 ■輪島商工会議所の取り組み 石川県輪島市では、輪島商工会議所により観光客や地域住民の移動手段として電動小型低速車(エコカート)が運行されている。エコカートは、ゴルフ場で利用されていたゴルフカート(定員4名)を改良したものである。注目すべきはその走行速度で、時速19kmで市街地内の道路を走行している。さらに、一部区間においてレベル2(運転手監視のもと、加速・操舵・制御の操作を一度にシステムが行う状態)の自動走行を実現している。 写真 2-1 エコカート

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