高齢者モビリティの選択要因と支援方策に関する研究
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59 (3)試行結果 1)エコ交通を推奨したい民間会社による試行 豊田市では交通渋滞緩和のため、道路ネットワーク整備に代表されるハード対策のほかにTDM等のソフト対策を実施している。これらソフト対策の推進母体として、事業所が主体的にエコ交通に取り組むことを目指して活動している「豊田エコ交通をすすめる会」があり、豊田市ならびに豊田商工会議所、(公財)豊田都市交通研究所が事務局を務めている。 エコ交通を推奨したい民間会社の担当者から、『自動車通勤から公共交通機関などへの転換を促すため、従業員に自宅から最寄りの公共交通機関の情報提供を提供したい』との相談があり、当該システムを試行した。 試行内容は130名分の最寄りのバス停を検索して時刻表を印刷、全ての工程を1時間程で完了した。担当者からは、「従業員自宅周辺の地図から最寄りのバス停を探して、対象バス停の時刻表を豊田市の公共交通情報サイトである『みちナビとよた』から印刷すると1名あたり15分ほどかかるが、簡易システムを使うことで、作業が効率化できた」と好評であった。 2)豊田市役所交通政策課職員による試行 公共交通の運営、利用促進に携わる市役所職員へ、当該システムの使い勝手や課題、利活用ができそうなシーンなどを調査した。 試行期間は平成29年2月21日~3月2日のおよそ1週間、利用者から41件の意見を収集した。意見の内容は、検索方法に関する意見が15件、情報内容や表示方法に関する意見が16件、バス停情報に関する意見が15件であった。 検索方法に関する意見は、「検索地として全国の同一地名が表示される ⇒ 対応策:検索の欄の中に「豊田市」の文字を入れておく」「直接入力による検索だけでなく、あらかじめ登録された住所をクリックして検索できるようにしておくと高齢者でも使いやすいと思う。」など、文字入力の精度向上と簡略化に関する意見がみられた。 情報内容・表示内容に関する意見は、「ストリートビューが同時に見れるのがとても便利」「料金表やバスロケページに繋がると便利」「シンプルな画面を目指すべきではありますが、今の画面では入力条件がわかりません。実稼働では説明文が入りますよね。」など情報の提示方法などに関する意見が多い。 バス停情報に関する意見は、「おいでんバスのバス停と併設された地域バスのバス停が表示されないことがある」「豊田市駅の西口と東口の場所を聞かれることがあるため、具体的に別々に場所が示せると良い」「全体として素晴らしい機能です。既出ですが、バス停のズレを直す点は非常に重要だと思います。」などバス停位置の精度に関する意見が多い。 住所や施設名から簡易に検索する当該システムの意義は認識され、活用の可能性についてポジティブな意見が多かった。しかし、一般公開するうえでの課題として、①情報の精度・②情報の管理・③既存システムとの共存の3つが挙げられた。
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