高齢者モビリティの選択要因と支援方策に関する研究
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22 制動に関連する分析-ブレーキ反応時間の分析- (1)使用データ 以下、運転適性検査の概要を示す。検査内容ごとに反応時間平均値や同世代との比較結果などがアウトプット(図2-5)される。本研究では「前方左側駐車車両の影から飛び出してくる子供」を発見したらブレーキを踏む反応時間を用いる。 1)選択反応検査 <条件> 受検者に先行車に続いて走行している景観を呈示 速度は40km/h一定で直進走行 ハンドル、アクセル、ブレーキ操作は走行状態に影響を与えない 視覚刺激を無作為に呈示 <検査内容> ・前方左側駐車車両の影から飛び出してくる子供(5回):ブレーキを踏む ・対向車線の離れた場所からの横断歩行者(5回):アクセルを離す ・対向車線を走行してくる二輪車(3回):アクセルを踏んだまま 2)注意配分・複数作業検査 <条件> 受検者には屈曲する道路(コミュニティ道路)景観を呈示し、ハンドル操作によって道路の中央に沿って走行 速度30km/h一定で走行 ハンドル操作によって進路変更可 アクセル、ブレーキ操作は走行状態(速度)に影響を与えない 視覚刺激を無作為に呈示 <検査内容> ・屈曲道路に沿ったハンドル操作:注意を集中させる刺激 ・前方から飛び出してくる子供(5回):ブレーキを踏む ・少し離れた前方に出現する横断歩行者(5回):アクセルを離す (2)正規性の確認 選択反応検査及び注意配分・複数作業検査別にブレーキ反応時間の分布状況を確認するため、正規性の確認を行った。検査結果を入手できた全ての被験者のブレーキ反応時間を使用し、エクセル統計:正規性の検定を行った。検定結果を表2-5に示し、選択反応ブレーキ反応時間の度数分布を図2-10、注意配分・複数作業検査の度数分布を図2-11に示す。 分析結果は、両検査ともに正規分布である帰無仮説が棄却され、正規分布でないことが確認された。

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