高齢運転者の法令違反特性及び防止対策に関する考察
31/41

28 (3)リフト値 (lift) )(/)(BpABp: 信頼度を「Bが起こる確率」で割ったものである。例えば、「紙おむつを購入する確率」が高ければ、自動的に「紙おむつに関する信頼度」も高くなるため、信頼度が高いからといえ、すぐにそれらをルールとして採用することは危険である。この場合はリフト値が低くなる傾向にある。逆に、「紙おむつを購入する確率」がそれほど高くないにも関係なく「紙おむつに関する信頼度」が高い場合は、それが貴重なルールをなっている可能性がある。この場合はリフト値が高くなる傾向がある。 これらの関連指標の値に対する詳細を表 4-8に整理する。 表 4-8 「支持度」「信頼度」「リフト値」一覧表 評価指標 値 内容説明 支持度 高い 「AとB」は頻繁に起こる=確実に売れる 低い 「AとB」はあまり起こらない=売れるかどうかはわからない 信頼度 高い 「AとB」は当たり前の組み合わせ 低い 「AとB」は珍しい組み合わせ リフト値 高い 「AとB」は組み合わせで購入されることが多い 低い 「B」は単品で購入されることが多い また、統計分析フリーソフト「R」で「アソシエーション分析」を適用する手順は次の通りである。 1) 分析データを用意し、Rからデータを読み込む。 2) データを「アソシエーション分析」用のトランザクションデータに変換する。 3) 必要であれば、項目ごとの頻度集計を行う。 4) 関数apiori()、eclat(y)、inspect()などを用いて、「アソシエーション・ルール」を生成する。 5) 結果をみて解釈を行う。 本章では、「アソシエーション分析」を用いた研究論文を参考しながら、無信号交差点事故を起した高齢運転者について、非高齢者と比較した法令違反の特徴としての「安全不確認」と事故類型の割合が最も高い「出会い頭事故」の相関ルールを導き出すために、この分析方法を用いる。なお、「出会い頭事故」には、無信号交差点で発生したものの割合が非常に高くなっているため、本章では、研究分析を行うにあたり、無信号交差点事故を起した高齢運転者を対象にする。また、非高齢者との比較を行うために、非高齢者の結果も示す。

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る