県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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73.分析に使用するデータの収集と基礎集計 3-1.本研究の分析の考え方 本研究では、交通事故の発生がリスク暴露(どの程度交通事故が生じやすい環境であるかを表す量)と交通事故発生確率(交通事故が生じやすい環境であるかを表す量)で表現できるという考え方に立ち、各種の分析を行う。 この考え方は、松井21)が示した「交通事故を減らすための公式」(式3-1)の考え方をベースとしている。すなわち、交通事故死者数は式3-1で表されるという考え方である。 交通事故死者数 = リスク暴露 × 交通事故発生率 × 致死率 (式3-1) ここで、 リスク暴露 = 自動車走行台キロ 交通事故発生率 = 交通事故発生件数 ÷ 自動車走行台キロ 致死率 = 交通事故死者数 ÷ 交通事故発生件数 ここで、リスク暴露には自動車走行台キロ以外にも、自動車利用の普及状況を表す自動車分担率や、歩行者と自動車の交錯の多さを表すと言える徒歩分担率等が存在すると考える。また、交通事故発生率は地域における交通事故の発生傾向を表すと考えれば、地域の道路交通環境、ドライバーの意識のほか、行政の予算配分等を含む社会経済指標などが存在すると考える。そして、致死率については交通事故類型によって大きく異なることから事故類型別に考えることが妥当である。そこで本研究では、交通事故件数を全件数と死亡事故件数(一部死者数)、そして交通事故類型別にそれぞれ分けて考えることとし、致死率の項は省略する。 以上の考え方をもとに本研究ではこの式をもとに次のような式が成立すると仮定する。 各種交通事故死者数 = リスク暴露 × 交通事故発生率 (式3-2) ここで、 リスク暴露 = 自動車走行台キロや自動車分担率、徒歩分担率など 交通事故発生率 = 道路交通環境、ドライバーの意識、その他社会経済指標 各種交通事故件数を目的変数とし、リスク暴露や交通事故発生率に関係する各種指標との関係を様々な方法で分析する。その際、数式にこだわらず、指標間の相関関係や ことで、県の特性と交通事故の関係性を分析するとともに、その中から高齢者の交通安全対策に資する知見を得ることとする。 21) 松井寛:道路交通事故死ゼロに向けての歩みと今後の課題,豊田都市交通研究所年報,2008.<再掲>
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