県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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62-4.交通事故に関係する意識や文化的な違いに関する国際的な研究 Paulら18)は、交通に対する文化的な違いが交通安全の実現に影響するとの考え方から、交通に対する文化および交通事故等の各種統計データ等を用いて中国、日本、米国を対象に国際比較し、各国の交通文化の違いを明らかにしている。また、Goszczynskaら19)、やLundら20)は、運転時の危険認識の違いが、国同士だけでなく同一国内の地域間によっても異なっていることを明らかにしている。以上より、交通事故の発生は、運転者の意識の影響を少なからず受けており、その意識は地域によっても異なっていると言える。 2-5.本研究の狙いおよび特徴 本研究は、田久保らの研究と類似した分析を行っているが、田久保らの研究から既に約20年が経過しており、道路・交通環境をはじめ社会環境も変化していると考えられる。加えて、田久保らの研究ではドライバーの運転意識を一部地域でのみ考慮しているが、森地らや嶋田らの研究も考慮すると、ドライバーの運転意識は全国で考慮するべきと考える。 本研究では、全国のドライバーの運転意識を用いた分析を行うことで、ドライバーの意識と交通事故発生状況の関係を分析するとともに、昨今注目されている高齢ドライバー事故に焦点を当て、道路交通環境や意識の視点も交えて、高齢者の交通安全対策を考えることに特徴がある。 18) Paul Atchely, Jing Shi, Toshiyuki Yamamoto : Cultural foundations of safety culture: A comparison of traffic safety culture in China, Japan and the United States, Transportation Research Part F, 26, 2014. 19) Goszczynska, et al.:Risk Perception in Poland: A Comparison with Three Other Countries, Journal of Behavioral Decision Making, 1991. 20) Lund, et al.:Cross-cultural comparisons of traffic safety, risk perception, attitudes and behavior, Safety Science 47, 2009.
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