県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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4三谷ら6)は、道路や沿道の条件に着目し、兵庫県内の一般国道2号の全区間を対象として、100m区間ごとの上下車線別の路線特性を含む事故データベースの構築および分析を行っており、同一区間でも上下車線で事故発生形態が異なり、沿道施設の立地特性が事故発生およびその類型と関連がみられることなどを示している。 武本ら7)は、近年交通死亡事故件数の減少率が高い北海道と、北海道以外の全国における交通死亡事故件数の推移を比較することで、北海道特有の交通死亡事故減少の要因を検討しており、道路中央線等に全国に先行して整備を行ってきたランブルストリップスによる効果等を示唆している。 吉田ら8)は、埼玉県の県南地域を対象に、生活道路で発生している交通事故について道路の使われ方の違いを考慮した地点情報を加えて事故要因を分析することにより、道路形成の歴史によって交通事故の特徴が異なり、幹線道路によって分断された生活道路の交差点での事故頻度が高いことなどを示している。 大柳ら9)は、埼玉県を対象に、交通の地域性と交通事故との関連性を分析しており、事故類型に地域差があることや、地域ごとに認識されている交通行動に違いがあることを示し、交通行動の違いが交通事故の発生に影響していることを示唆している。 荻野ら10)は、愛知県を対象として事故多発交差点周辺の施設・建築物の種類と事故形態との関連性について分析しており、横断(右折)事故は交差点周辺の施設・建築物によって事故件数に差が生じ、高層ビル、飲食店、ならびにコンビニエンスストア等が立地する交差点で事故が多い傾向があることなどを示している。 久保田11,12)は、全国47都道府県を対象として、事故類型別発生件数とWebモニター調査により把握した交通行動の地域特性により、都道府県ごとの交通行動の特性や発生している事故の関連性を分析した。各都道府県の交通行動の特徴には違いがあることを確認し、「せっかち」「のんびり」「親切」「まじめ」「慎重」といった気質が事故の発生状況と関連がある可能性を指摘している。 6)三谷哲雄、日野泰雄、吉田長裕:路線特性を考慮した事故対策のためのデータベース化とその分析事例,土木計画学研究・論文集Vol.24,pp.797-802,2007. 7)武本東、平澤匡介、葛西聡、萩原亨:北海道における交通死亡事故減少要因に関する一考察,第28回交通工学研究発表会論文報告集,pp.77-80,2008. 8)吉田進悟、宮崎正典、坂本邦宏、久保田尚:「地域DNA」に着目した生活道路と幹線道路との交差点における交通事故要因分析,第29回交通工学研究発表会論文報告集,pp.69-72,2009. 9)大柳和紀、小嶋文、久保田尚:交通の地域性と交通事故の関係に関する研究,第32回交通工学研究発表会論文報告集,pp.231-234,2012. 10)荻野弘、伊藤豊、野田宏治、大森峰輝:事故多発信号交差点とその周辺の施設形態に関する研究,第34回交通工学研究発表会論文報告集,pp.117-120,2014. 11) 久保田尚:交通行動の地域性に着目した効果的な事故対策立案方法の開発,平成25年度(中間報告)タカタ財団助成研究論文 ISSN 2185-8950,2013. 12) 久保田尚:交通行動の地域性に着目した効果的な事故対策立案方法の開発,平成26年度(本報告)タカタ財団助成研究論文 ISSN 2185-8950,2014.
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