県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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57ここで、前節で行った交通事故の特徴の類似性に着目した分析の結果から、愛知県が分類されたクラスター3の地域に絞って、それぞれの人口を確認すると、愛知県が圧倒的に大きい事がわかる。すなわち、比較的人口あたりの死亡事故件数が大きいクラスター3の中で、愛知県の同指標の値が小さいとしても、クラスター3の他の県と比べて人口規模が比較にならないほど違う。そのために、愛知県の交通死亡事故死者数が多くなっている。 表 4-15 クラスター3に含まれる県の人口(大きい方から順に並べている) クラスター3に含まれる県人口(千人)百万人当たり死亡事故件数(件/百万人)愛知県7,48430.01静岡県3,70141.99茨城県2,91849.83栃木県1,97549.43群馬県1,97439.22福島県1,91442.54岡山県1,92250.78三重県1,81651.22熊本県1,78744.43鹿児島県1,64950.70滋賀県1,41350.95山形県1,12340.07宮崎県1,10445.82富山県1,06748.36香川県97762.45山梨県83546.93徳島県75648.67 参考に、愛知県と人口規模が同等かそれ以上の東京、神奈川、大阪、埼玉の人口と死亡事故件数、人口あたりの死亡事故件数を示す。愛知県がワースト1から逃れるためには、人口あたりの死亡事故件数を、ここに挙げた都府県程度にまで抑える必要がある。 なお、ここに挙げた死亡事故件数は2011年から2015年の5年間の平均であるが、このデータでワースト2は千葉県の189件である。愛知県がこの値を下回るためには、百万人あたりの死亡事故件数を25.0件/百万人程度(おおよそ3/4程度)に抑える必要がある。 愛知県が目指すべきは、全国平均以下ではなく、さらに高いところにあることが確認された。 表 4-16 人口規模が愛知県と同等以上の都府県の人口・死亡事故件数等 都府県人口(千人)百万人当たり死亡事故件数(件/百万人)死亡事故件数(5年平均)(件/年)東京都13,51412.98175神奈川県9,12719.17175大阪府8,83919.87176愛知県7,48430.01225埼玉県7,26124.84180千葉県6,22430.37189(参考)全国127,11033.214,221

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