県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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51(3)クラスター別の地域特性等の分析 クラスター分析により得られた4群の特徴を分析する。ここでは、クラスター毎の交通事故の発生傾向を概観するための事故状況、リスクの状況、道路交通環境等、交通マナーについて幾つかの指標を抽出し、平均値の差を検定するために分散分析を行った。結果を表 4-13に示す。 統計的に有意な差が認められたのは、事故状況の他、リスクおよびその他の指標の中でも、人口密度や交通手段分担率、人口当たりの信号機数等、都市の集積状況を表す指標である。交通事故の類型や発生場所の構成比を指標として都道府県を分類したため、都市の集積状況で有意な差があることは不思議ではない。 注目したいのは、人口あたりの事故件数や死亡事故件数においても有意な差が確認できたことである。交通事故類型等の構成比が異なることで、事故の起こりやすさ(人口あたりの事故件数)が異なると言える結果が得られた。 反対に、交通マナーについての影響はほとんど確認できなかった。これは、47都道府県を、交通事故類型等を用いて4群に集約したためであると考えられる。 本分析により、地域別の交通事故発生状況の特性は、都市の集積状況によって影響を受け、その違いによって人口あたりの事故件数(事故の起こりやすさ)も異なることが確認できた。 しかしながら今回の分析からは、高齢者の交通事故対策につながる分析結果は導くことができなかった。 表 4-13 クラスター別の地域特性の分散分析結果 分類指標C1C2C3C4p値判定事故状況千人当たり事故4.973.056.254.600.001**百万人当たり死亡事故件数40.0247.3546.6733.140.002**リスク人口密度(千人/m2)285.8138.2348.91625.50.004**自動車分担率65.4%73.9%69.1%39.2%0.000**徒歩分担率8.1%6.7%5.7%6.7%0.001**道路交通十万人あたり信号機数1.841.991.961.480.000**環境等信号灯器のLED化率57.4%50.8%48.3%53.1%0.536人口千人あたり横断歩道数9.4611.1610.628.170.002**人口千人あたり立体横断施設数0.130.140.140.110.478マナー横断歩道一時停止しない車が多いと回答する割合84.5%83.8%86.1%86.0%0.107ウィンカー出さない車が多いと回答する割合80.0%75.1%80.6%76.9%0.054見切り発車する車が多いと回答する割合47.0%44.7%48.2%45.8%0.602運転中スマホする車が多いと回答する割合83.5%81.5%85.6%84.6%0.196不要なクラクションを鳴らす車が多いと回答する割合25.6%20.4%27.7%33.6%0.000**無理な割り込みをする車が多いと回答する割合62.2%50.1%59.8%63.8%0.001**あおられることが多いと回答する割合54.3%52.5%54.9%53.8%0.303思いやり意識していない運転者が多いと回答する割合3.0%3.5%3.0%2.7%0.187全般的交通マナー悪いが多いと回答する割合39.3%34.5%43.9%35.5%0.415自信度3.483.503.523.500.958運転の好き嫌い(大きいほど好き)3.723.843.753.770.758規則認識度4.184.464.454.270.275規則実践度4.154.174.134.110.992性格合計(大きいほど安全に寄与)12.3912.2112.7913.060.245
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