県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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45(2)出会い頭事故、車両単独事故 1)全体的な傾向 出会い頭事故では千人あたり信号箇所数が有意となっており、符号が正である。信号が多いと交差点も多いと考えられ、出会い頭事故の特徴を表している。車両単独事故では、可住地面積当たり道路密度が有意であり符号が負である。道路密度が低いことは都市化が進んでいない地域が多いことを表していることから、この指標も車両単独事故の特徴を表している。さらに、信号無視や通行禁止違反、一時停止違反の構成比が有意となっている。信号や標識を見落としやすいと単独事故を起こしやすい可能性がある。 2)全人口と高齢者の違い 出会い頭事故で、全人口と高齢者で異なる変数が有意となっているのは、自動車分担率、雪日数率、免許保有者数あたり違反件数(高齢者で有意)、不要なクラクション、最高速度違反構成比(全人口で有意)である。高齢者でのみ有意な変数のうち符号が正なのは自動車分担率と免許保有者あたり違反件数である。これらは都市の規模を間接的に表している可能性がある。 車両単独事故では、全人口と高齢者で異なる変数が有意となっているものは存在しない。この傾向は前節の相関分析による結果と同様であり、これらのことから車両単独事故は年齢の違いの影響は小さいと言える。 表 4-8 重回帰分析結果(その2:出会い頭事故、車両単独事故) 出会い頭事故件数第一当高齢者出会い頭事故件数車両単独事故第一当高齢者出会い頭事故件数指標人口百万人あたり人口千人あたり人口千人あたり人口千人あたり種類()内は抽出された変数の数単位標準偏回帰係数t値判定偏相関係数標準偏回帰係数t値判定偏相関係数標準偏回帰係数t値判定偏相関係数標準偏回帰係数t値判定偏相関係数曝露①自動車分担率%0.842.85**0.220.934.12**0.290.772.37*0.33量②徒歩分担率%----------------指標①総面積あたり総走行キロ※1②都計面積あたり市街地走行キロ※1----------------道路全)千人あたり信号箇所数箇所1.524.66**0.160.862.36*0.21環境②千人あたり横断歩道数箇所----------------指標②千人あたり立体横断施設数箇所----------------全)可住地面積あたり道路密度※2-0.99-3.26**-0.17-1.33-3.99**-0.21全)雪日数率%-0.27-3.56**-0.39-0.54-4.90**-0.36-0.63-5.00**-0.34全)市街地平均旅行速度(一般道路)km/h1.291.770.04社会全)1人当たり県民所得千円経済全)1人当たり土木費千円-0.63-2.51*-0.25-0.90-3.29**-0.20指標全)1人当たり警察費千円全)10万人あたりコンビニ店舗数箇所-0.68-1.59-0.07②DID千km2あたりゾーン30箇所数箇所----------------全)LED化率%全)1人当たり輸送機械製造品出荷額等百万円運転全)全般的交通マナー悪い%マナー全)不要なクラクション%0.523.34**0.22指標全)免許保有者あたり違反件数件0.332.10*-0.12全)信号無視構成比%0.342.20*0.060.251.500.06全)最高速度違反構成比%-0.51-2.88**-0.27全)通行禁止違反構成比%0.352.04*-0.050.372.10*-0.08全)一時停止違反構成比%0.662.69*0.200.642.54*0.20②歩行者妨害違反構成比%----------------全)駐停車違反構成比%修正済み決定係数0.8800.8890.7880.796※1:100万km/100km2・年、※2:km/100km2

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