県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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40表 4-3 車両単独事故の構成比と各指標の相関係数種類指標相関係数判定道路環境信号密度が0箇所/kmの区間の走行キロの割合0.446**マナー違反検挙数に占める駐停車違反構成比-0.366*リスクDID内に居住する人口の比率-0.357*リスク総面積あたり総走行キロ-0.349*マナー不要なクラクションを鳴らす車が多いと感じる割合-0.340*リスク自動車分担率0.326*社会経済可住地面積あたり総道路延長-0.319*マナー見切り発車する車が多いと感じる割合-0.302*マナー無理な割り込みをする車が多いと感じる割合-0.265マナー運転自信度-0.261無相関の検定 *:5%有意、**:1%有意 ここで、第一当事者が高齢者の車両単独事故では、全体の結果と比べて類似の指標が抽出されている。 表 4-4 第一当事者が高齢者の車両単独事故の構成比と各指標の相関係数 種類指標相関係数判定道路環境信号密度が0箇所/kmの区間の走行キロの割合0.448**リスクDID内に居住する人口比率-0.418**マナー違反検挙数に占める駐停車違反構成比-0.409**リスク総面積あたり総走行キロ-0.397**マナー不要なクラクションを鳴らす車が多いと感じる割合-0.395**リスク自動車分担率0.393**道路環境可住地面積あたり総道路延長-0.353*マナー見切り発車する車が多いと感じる割合-0.297*マナー免許保有者数あたり違反件数-0.279マナー無理な割り込みをする車が多いと感じる割合-0.272無相関の検定 *:5%有意、**:1%有意 (3)人対車両事故と各指標の相関分析結果 徒歩の分担率、DID内の人口密度、都市計画区域面積あたりの市街地走行キロ等が大きいと、人対車両事故が起こりやすい。反対に、ウィンカーを出さない車が多い割合、運転中にスマホを操作する車が多い割合、人口あたりの信号機数等が大きいと、人対車両事故が起こりにくい。 人対車両事故は自動車と歩行者が交錯する場面で起こるものであり、交錯の頻度が多い都市部は徒歩分担率や人口密度が高く、人対車両事故が起こりやすいことは理解できる。 免許保有者数あたり違反件数を除く交通マナーに関係する指標の符号は負であり、マナーが悪いと人対車両事故が起こりにくいという結果が得られた。推測の域を出ないが、自動車と歩行者が交錯する頻度が多い地域では、お互いのコミュニケーションがより重要なために、これらのマナーが比較的守られている可能性がある。 人対車両事故が市街地で起こりやすいことは確認できたが、そこから対策を導き出すことは難しい。ここでもITARDAによる人対車両事故の分析を引用して考察を行う。ITARDAの

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