県の特性を考慮した超高齢社会における交通安全対策に関する研究
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39ここで、第一当事者が高齢者の出会い頭の相関係数をみると、全体の結果と比べて市街化の度合いを表すと言えるリスクや事故特性の指標が多い。この結果からは、高齢者の車両単独事故は、全体と比べて地形や市街地の状況がより大きく影響していると言える。 表 4-2 第一当事者が高齢車の出会い頭事故の構成比と各指標の相関係数 種類指標相関係数判定リスク徒歩分担率-0.553**マナー違反検挙数に占める通行禁止違反構成比-0.433**マナー免許保有者数あたり違反件数-0.416**社会経済人口あたり信号機数0.383**リスクDID内の人口密度-0.328*社会経済人口あたり横断歩道数0.309*マナー見切り発車する車が多いと感じる割合0.300*リスク都市計画区域面積あたり市街地走行キロ-0.283マナー全般的交通マナー悪いと感じる割合0.279マナー運転自信度0.278無相関の検定 *:5%有意、**:1%有意 (2)車両単独事故と各指標の相関分析結果 高齢者が第一当事者となる事故の割合、信号密度が0箇所/kmの区間の走行台キロの割合、自動車分担率が高いほど、車両単独事故が起こりやすい。反対に、違反検挙数に占める駐車違反の割合、DID内に居住する人口の比率、総面積あたりの総走行キロ等が高いほど、車両単独事故が起こりにくい。 車両単独事故は、ITARDAが行ったマクロ的な分析(2003年~2005年)26)からみると54%が非市街地で発生し、道路幅員別では広幅員の直線で多く発生している。これらのことから、ITARDAでは車両単独事故の多くは交通環境の変化が少ない単路で多く発生していると分析している。信号密度が0箇所/kmの区間の走行台キロの割合の相関係数が高いことを考えると、信号密度が0であることは単調な区間であると言え、ITARDAの分析とも合致する結果が得られた。 車両単独事故と関係の深い市街化の状況や単調な道路からは有効な対策は見出しにくい。しかし、ITARDAによるミクロ分析によると、車両単独事故の39%が無意識(わき見・居眠り・漫然運転)のハンドル操作により引き起こされていることが明らかにされている。人の運転に要因があるとすれば、それを支援する先進運転支援システム(ADAS)等の予防安全装置の導入が効果的であるといえる。すなわち、レーンキープアシストシステム(LKAS)やレーン逸脱警報システム(LDWS)などは有効に機能することが期待できる。 26) 財団法人交通事故総合分析センター:イタルダ・インフォメーション,No.80,2009.
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