助言型ISAの長期効果の計測およびインセンティブプログラムの効果検証
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-57- 7-4-1.危険箇所の抽出 道路交通安全対策を探るために、まずは危険箇所を把握するのは必要不可欠である。近年、プローブ情報(車両の挙動履歴や走行履歴)を活用した方法が提案され、カーナビやスマートフォンで収集されたプローブデータを用いた道路区間危険箇所の認識に関する研究は行われてきた。これは、実際発生した交通事故は稀有の現象であるため、一般性が高い現象を得られることは困難である。そのため、より効率及び一般性が高い方法を用いて、道路区間危険箇所を抽出することは望ましく、今後、スマートフォンの普及に伴い、収集されているプローブデータに様々な活用方法を用いて、交通事故防止に向けた有意な知見を得られることは期待されている。 本研究が用いるISAアプリによるLOGデータには、収集されたGPS速度は精度がより高いドップラー速度であるため、その結果を用いて走行車両の急制動を抽出する結果信頼性は高くなっていると考える。一方、本研究で抽出された車両急制動データはISAアプリによるものであるため、フェーズ2における助言型ISA情報提供で、ドライバーが走行速度を低下する影響があることにより、車両減速度は-0.5G以上のデータのみを抽出する。危険箇所を抽出する結果は図 7-4に示しているが、道路リンクの通過回数の結果を図 7-5に示す。 これらの結果により、助言型ISA実証実験の被験者が利用した経路のうち、急制動が行われた危険箇所が明らかとなった。この結果を用いて、今後、道路区間の安全性を高めるための対策を提案することに役立つと考える。なお、車両の急制動データは実際に発生した交通事故データではないため、その信頼性に関する検討は今後課題の一つである。また、図 7-5に示すようなデジタル道路地図の各リンク通過回数結果を用いて、被験者の経路選択行動に対する分析も今後課題の一つである。
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