助言型ISAの長期効果の計測およびインセンティブプログラムの効果検証
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-49- 7.今後の研究に向けたアプリLOGデータの再整理 7-1.LOGデータの整理目的 当研究所は生活道路における交通安全対策の一つである規制速度超過を抑制するために、平成25年度からスマートフォンを用いた助言型ISAシステムの長期的な実証実験を行ってきた。平成26年度の研究成果の一つとしては、助言型ISAの情報提供により、2割程度の速度遵守効果(規制速度以下で走行した距離の割合から解析)が得られ、特にゾーン30における効果は比較的大きいことが分かった。一方、速度遵守効果をより適切に把握するためには、規制速度以下で走行した距離の割合のみならず、道路ネットワークを構成する基本単位であるリンク毎の規制速度遵守効果を分析することも重要である。そこで走行するリンク毎の規制速度遵守効果を測るために、平成26年度第一期及び、平成27年度第二期の実証実験で収集されたISAアプリによるLOGデータを再整理する必要がある。本章では、LOGデータの整理方法及び、整理した結果の活用方法について整理する。 7-2.ISAアプリによるLOGデータの説明 LOGデータの整理方法を説明する前に、まずはLOGデータ内容について述べる。ISAアプリが取得する走行情報を表 7-1に示す。 表 7-1 アプリが取得する走行情報(LOGデータ) 項目目 説明 GPS座標(経度) 世界測地系 GPS座標(緯度) 同上 マップマッチング後座標(経度) 同上 マップマッチング後座標(緯度) 同上 位置情報の取得日時 「yyyymmddhhmiss」形式 端末側日時 「yyyymmddhhmiss」形式 方位 0-359度 速度1(GPS速度) 時速(km/h)。モード選択によらず出力 速度2(単位時間当たりの移動距離) 同上 ISA機能の動作状況①(規制速度検知) "1:検知"、"0:非検知" ISA機能の動作状況①(ゾーン30への進入検知) "1:検知"、"0:非検知" ISA機能の動作状況①(規制速度超過検知) "1:検知"、"0:非検知" マップマッチング後リンクID(oid) ISAのデジタル道路地図のリンクID GPS捕捉状況 "1:捕捉中"、"0:未捕捉" 注:1)車両の走行速度は速度1(GPS速度)に基つき判断する。 2)規制速度の検知によらず稼働中のISAアプリがLOGデータを出力する。 LOGデータの内容をみると、取得する走行情報を三つのカテゴリに大別できる。一つ目は、スマートフォンによるGPS座標(経度、緯度)、位置情報の取得日時、端末側日時、方位、GPS速度、単位時間当たりの移動距離、GPS捕捉有無等の基礎データである。二つ目は、スマートフォンによる基礎データを用いて、ISAアプリを開発した(株)トヨタマップマスターが提供したデジタル道路地図に適用することによる、マップマッチング後座標(経度、緯度)、マップマッチング後リンクID等の情報である。三つ目は、マップマッチング結果

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