助言型ISAの長期効果の計測およびインセンティブプログラムの効果検証
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-32- ③ 生活道路 生活道路の希望速度を図4-16に示す。分散分析の結果有意な交互作用は認められず(F(2,45)=1.523,n.s.)、世代の主効果は有意でなかった(F(1,46)=1.586,n,s.)。規制表示の種別の主効果が0.1%水準で有意であった(F(2,45)=20.103,p<.001)。多重比較を行ったところ、規制表示無条件が30km/h表示条件とゾーン30条件より有意に希望速度が高く(それぞれP<.05;P<.01)、30km/h表示条件はゾーン30条件よりも有意に希望速度が高かった(p<.01)。 図 4-16 生活道路の世代別希望速度 (4)考 察 本研究の目的は先に示された一般成人では規制速度を明示することによって希望速度が引き上げられてしまう可能性がある点について、その現象が一般成人特有のものであるのか広く一般に認められる可能性があるのかを検討することであった。 結果として、まず全体的に高齢者に比べて一般成人の方が希望速度が高い傾向にあることが明らかになった。特に40km/h規制区間では高齢者に比べ有意に希望速度が高く、補助幹線道路において規制速度を明示することによって更に高い希望速度が示された。幹線道路の50km/h区間では規制表示、世代ともに希望速度に影響せず、一定して50km/h程度の希望速度が示されたものの、補助幹線道路では世代を問わず高い希望速度が示された。しかし実際には50km/hを下回る希望速度であり、現実的には問題ないと考えられる。 補助幹線道路の40km/h区間で規制速度を明示することで高い希望速度が示される点については、速度取り締まりに捕まる可能性のある速度として若年者ほど高い速度を示す傾向があり、概して10km/h程度であれば捕まらないと考えているドライバーが多いという報告がある3)。そのため、幹線道路よりも交通量の少ない補助幹線道路では意識的に10km/h超過程度の速度を選択していたのではないかと考えられる。

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