助言型ISAの長期効果の計測およびインセンティブプログラムの効果検証
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-11- 2-2.実験の被験者と変更点 実証実験の被験者募集は、過年度の他研究プロジェクトにおいて実績のあったトヨタすまいるライフ(株)に平成25年度に委託し、当初は対象エリアのゾーン30内あるいは近辺に居住する60名の被験者を確保していた。昨年度7月から実施した第一期実験では、非高齢者でかつ運転頻度が比較的高い被験者から20名を選出した。高齢者はスマートフォンの扱いに不慣れであることが想定されたため、アプリの稼働が完全とは言えない状況では実験の遂行自体が困難となることも危惧され、先ずは非高齢者により先行実験を開始したことが、この選定の理由であった。 第二期実験では、実験期間が大幅に遅れたことから、第1期実験被験者20名を除く40名の候補者に対して改めて実験協力の意志を文書にて確認した。その結果、11名の被験者が辞退を申し出た。その理由としては、非高齢者は就職や懐妊等により生活環境が変化したこと、高齢者はスマートフォンの操作に不慣れなことや長期間の実験に対する不安から実験参加を思いとどまったこと、などであった。 このような状況から、29名(高齢者22名、非高齢者7名)により第2期実験を開始したが、Phase1の途中でさらに1名の高齢者が途中辞退を申し出たため、最終的な第二期実験の被験者数は28名(高齢者22名、非高齢者6名)となっている。なお、当初は高齢・非高齢の分けを65歳前後で設定したため、実際には63歳以上を高齢者として扱ったが、実験を進める中で非高齢者としていた61歳の被験者について、スマートフォン利用の慣れなどの振る舞いから、高齢者に振り分けることが妥当であると判断し、境界年齢を61歳以上に再設定した。上記人数はその結果である。 実験上の変更点としては、第一期実験において、特にインセンティブプログラム対象者であるReward群・Penalty群の被験者から、狭幅員道路周辺の40~50km/h 規制道路において「幅員狭し」や「30キロ規制です」といった警告が発せられたこと、速度規制の行われていない生活道路において他車から煽られるなど危険な体験をしたことなどの指摘が多数挙げられた。第二期実験までに十分な時間的・予算的猶予が無いため、アプリケーションの精度を高め情報を精査するといった改良は行わずにインセンティブプログラムの対象道路から「速度規制の無い生活道路(狭幅員道路)」を外し、「ゾーン30内」および「30キロ規制道路」に限定することとした。また、先述のとおり、インセンティブルールはPenaltyを排除しRewardのみの設定とした。
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