高齢者のおでかけによるQOLの変化と中山間地域のまちづくり方策に関する研究
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1.はじめに 研究の背景・目的 1-1.愛知県北設楽郡の3町村(設楽町・東栄町・豊根村)においては、2009年度から3町村が合同で公共交通システムの改善に取り組んでいる。この中では、3町村が一体的な生活圏を形成していることを踏まえて、町村別の公共交通確保の取り組みではなく、3町村の町村営バスを相互に乗り入れする取り組みや、公共交通空白地区へのデマンド型交通の導入などが行われ、「おでかけ北設」として一体的に運営・運行がなされている。 「おでかけ北設」の導入に先立ち、2008年度には名古屋大学・加藤研究室が同地域の住民を対象とした移動実態に関する調査を実施している。また、今年度には、北設楽郡公共交通活性化協議会が住民を対象とした移動実態に関する調査を実施した。 本研究では、これらの調査結果の提供を受けて、中山間地域における移動実態の変化について把握すると共に、3町村による公共交通確保の取り組みの前後での住民の移動状況の変化が生じたかどうかについても検討を行う。 59

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