高齢者のおでかけによるQOLの変化と中山間地域のまちづくり方策に関する研究
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1.はじめに 研究の背景・目的 1-1.地域社会と積極的に関わりをもつ高齢者や、普段の外出頻度が多い高齢者ほど健康寿命が長く、後の健康状態を維持しやすいといわれている。また、いつまでも自立した幸せな社会生活を送るためには、生き方や活動内容を自ら選択し、実現を図るような社会であることが求められてくる。しかしながら、特に中山間地域などでは高齢化の進行に伴い外出する目的(地)や移動手段の選択肢が少なく、様々な活動への参加(外出)に制約を受けている可能性がある。 そこで本研究では、高齢者の主観的幸福感に影響を与える要因でもある日常生活動作能力や生きがい意識を調査し、「高齢者の活動状況(現在の楽しみ)」と、「就労意向」、「地域振興への意識」などとの因果関係を分析し、プロダクティブ・エイジング(生産的高齢者)との連携を念頭に置きながら中山間地域の交通まちづくりの方向性を考察する。 研究の位置づけ 1-2.本研究は、昨年度実施した「中山間地域における高齢者のモビリティ調査」の継続研究である。研究の位置づけを図 1-1に示す。 図 1-1 本研究の位置づけ 生活動作能力仕事活動高齢者障害病気日常生活趣味娯楽移動手段輸送サービス送迎自動車バイク自転車近所家族在宅診療移動販売入居型施設ネット販売在宅外出在宅外出外出体力低下在宅サービス生きがい楽しみ就労地域振興タクシー手段的知的社会的バス生活実態の把握(昨年度)本年度福祉施策 1

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