シームレスな移動を支援する極小パーソナルモビリティに関する研究
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10桜が丘地区におけるニューモビリティ導入事業では、免許がなくても利用できるニューモビリティ(免許不要の電動 1~3人乗りの車両)を導入し、元気なうちから「クルマ」と「ニューモビリティ」や「バス」を使い分けることにより、免許返納後にも自分の意思で自立して移動できる環境づくりを目指している(図 2-9)。ワークショップやイベント等を通して、地域全体を巻き込みならニューモビリティの導入に取り組んでおり、多くの住民が感じる地域の交通課題を共に考えることで、コミュニティづくりの核となっている。 また、溝上ら(参考文献 2-11)は、シニアカーは、地域に暮らす高齢者らのモビリティ水準を改善し、生活の質の向上に貢献することが期待されていることから、シニアカーの利用可能性に関する実証実験を行った。 実証実験の結果、シニアカーの活用が生活活動範囲を広げること、この生活活動範囲の広がりが日常役割機能だけではなく、全体的健康感や活力などのQOLの向上にも資する傾向があることを示した。また、シニアカーを1人で操作できる能力があり、自由に操作し移動できる環境が整っている人ほど、QOLの向上が期待できることが推察されるといった知見を得ている。 一方で、シニアカーを必要とする人がシニアカーに出会う仕組みと、安全かつ有効に使用することを支援する仕組みが欠如しており、シニアカーの普及とその利活用にとって大きな課題であるとしている。具体例として、歩道の段差・傾斜、駐車車両や屋外広告の存在などの走行環境の悪さ、歩行者との交錯や歩行者への気兼ねなどの理由から、途中で使用をやめてしまったケースがあった。また、「電動カートは高齢者や身体の不自由な人の乗り物であり、私はまだそうは見られたくない」といった心理的障壁により、特に女性を中心に利用をやめた被験者がいた。さらに、安全性の疑問から、実験モニターになるのを親族が断ってくる例も見られた。これらの課題を解決するに必要なこととして、次の6つを挙げている。 (1)PMそのものの操作性・安全性の向上、歩行者扱いのために制約となっている仕様や走行路の限定に関するレギュレーションの緩和 (2)路上の段差や傾斜などの走行環境の整備など、物理的バリアの改善 (3)高齢者や身体の不自由な人の乗り物であるといった心理的バリアの克服 (4)医学・公衆衛生関連QOLの向上だけでなく、生活全般の質の改善を図ることが可能なツールであることへの理解の促進 (5)本当に活用して欲しい人への広報・周知、そのための都市計画行政と健康福祉行政の連携と総合化など 2-3.イギリスで普及するモビリティスクーター 平成28年3月22日に、東京国際フォーラムにおいて、国土交通省が主催する「超小型モビリティ・シンポジウム~超小型モビリティの成果と可能性~」が開催された。筑波⼤学
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