豊田市でPHVを導入するメリットに関する実証的研究
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4 2. プローブデータを用いたPHVの電費・燃費推計式に関する検討 2-1. 検討の目的 PHVのランニングコストを試算するために、電費値・燃費値を正確に把握する必要がある。しかし、カタログ値として公表されている電費値、燃費値は、実際の走行状態や環境と異なる条件での試験結果1)であり、実電費値、実燃費値とかい離が見られることはよく知られている。 そこで、本章はPHVのランニングコストをより正確に把握するために、PHV実走行データに基づく電費、燃費推計式の作成を目的とする。研究内容としては、PHVの実走行プローブデータを用い、EVモードにおける「トリップ平均速度‐電費」の関係式、および、HEVモードにおける「トリップ平均速度‐燃費」の関係式を得ることをするものである。ここで、EVモードというのは、PHVがEVのようにガソリンを使用せず、バッテリーにより電気モーターのみを駆動させて走行するモードである。また、HEVモードというのは、EVモードに必要な電力が使い切った後は、PHVがHEVのようにガソリンエンジンと電気モーターの併用で走行するモードである。 また、「トリップ平均速度‐燃費」の関係式というのは既往研究でよく使われた経験式である2) ~ 5)。本章では、トリップの平均速度に加え、更に電費や燃費に与える影響が大きいと考えられる「環境温度」、「起点と終点の高低差」を考慮した経験式を作成する。 2-2. 使用データ 2-2-1. データの概要 本章では、2010年から実施されている豊田市低炭素社会システム実証プロジェクトの中で、スマートハウス購入世帯に貸与されたPHVの実走行データを解析に用いるデータとする。これらのPHVにはプローブシステムが導入されており、一日の動きやPHVの走行状態を把握することが可能である。また、本章では、気象庁のアメダスデータ、国土交通省国土地理院が発行した数字地図250mメッシュ標高データを用いる。 以下に、分析に用いるデータ項目を示す。 a) トリップに関する情報(平均速度、電費、燃費) PHVのプローブデータから、トリップの開始時間から終了時間までの電力及び燃料消費量、移動距離、移動時間、平均速度を得る。また、本章では、PHVのEV/HEVモードの切り替えを考慮しないで、EVモード又はHEVモードそれぞれに対して、電費、燃費の推計式を作成する。そのため、電費推計式を作成する際、EVモードのみで走行したトリップを用いる。また、燃費推計式を作成する際、HEVモードのみで走行したトリップを用いる。

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