豊田市でPHVを導入するメリットに関する実証的研究
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24 1) PHVは家から出発する際、バッテリーの状態を満充電と設定する。 2) バッテリーの残留電力量がある場合、PHVは電気モーターで走る(EVモード)。バッテリーの残留電力量がない場合、PHVはガソリンエンジンで走る(HEVモード)。なお、走行中でバッテリーの残留電力量がなくなる場合に、PHVは自動的にHEVモードに切り替え、ガソリンエンジンで走る。 3) PHVはHEVモードに切り替えた後で、EVモードに戻らないで、HEVモードで走る。 4-4-1. CO2排出量の削減効果 PHVの導入によるCO2排出量削減効果の評価手法について、まず、2章で作成したPHV走行の電費、燃費推計式による電費値、燃費値を自動車移動トリップに適用し、ガソリンや電力消費量を適切に把握し、ガソリン及び電力消費量に基づくCO2排出量を得る。その後、導入前のCO2排出量を比較し、削減総量、及び削減率を求める。なお、2章で作成したPHVの走行の電費、燃費推計式を用いて、PHVの電力、燃料消費量を推計する際、PHV走行の環境温度を豊田市の年間平均温度(16.3℃)と設定する1)。 1) 方法 本章では、PHVの一充電消費電力量を3.02 kWhと設定する。豊田市全域でPHVを導入すると、深夜電力での充電を仮定し、2章で作成した実電費、実燃費の推計式を用いて、トリップの平均速度、気温、高低差を考慮した電費値、燃費値を自動車移動トリップデータに適用し、仮定したPHVの移動による電力、ガソリン消費量を得る。そして、ガソリンのCO2排出係数(2.32 kg-CO2/L)、電力CO2排出係数(0.373 kg-CO2/kWh)をそれぞれガソリン消費量及び電力消費量に適用し、CO2の排出総量を把握する。その後、CO2排出量の現状と比較し、PHVの導入によるCO2削減総量及び削減率を得る。 2) 結果 豊田市でのCO2排出量の削減総量について、平日ではCO2排出量を536トン/日を削減できるのに対して、休日では排出量を617トン/日を削減できる。よって、休日の削減総量は平日に比べて81トン多くなる。また、PHVの導入による平日休日別地域別CO2排出量の削減総量の推定結果を図4-8に示す。 (a) 平日 (b) 休日 図4-8 CO2排出量の削減総量(単位:トン/日)

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