走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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65 小を視覚的に示す際にはEnVIVer Enterpriseによる数値を用いて、エコドライブ施策のCO2排出量削減効果を明らかにすることとした。エコドライブ車A,B,Cそれぞれについて、混入率を20%刻みで変化させた際のCO2排出量、削減効果、遅れ時間および平均速度を計測した結果を図4.3(a)に示す。エコドライブの純粋なCO2削減効果および波及効果を計測するために、走行する車両は貨物車軽車量を含めず乗用車のみとした。 4-3-1.昼間交通量におけるCO2排出量削減効果について エコドライブ車A,CとBの間でエコドライブ車混入による削減効果の差が見られた。速度抑制のみ(A)または速度・加速度抑制(C)では100%混入した際、約7%の削減効果が得られたのに対し、加速度抑制(B)は約1.5%に留まった。昼間交通量においては交通量が多いために加速度はAでも低く抑えられており(乗用車のみ走行時の平均最大加速度が2.5m/s2)、A,Cに共通の最大速度抑制効果がCO2削減に大きく影響していると考えられる。 この結果から、速度抑制施策および加速度抑制施策を実施する車両の混入時はCO2削減および波及効果が得られるが、速度抑制のみでも同様のCO2削減効果が得られる、すなわち、速度抑制が重要な要因であることが明らかとなった。また、速度抑制施策を実施したエコドライブ車AまたはCの混入では、少ない混入でも大きなCO2削減効果が得られる結果となった。混入率の増加に対して削減率は上に凸のカーブを描いている。混入率が低いときでも相乗効果で交通流全体の平均速度を低下させることでCO2削減の波及効果が得られる(混入率を20%から40%へと変化させた際のCO2削減率は1.9%)が、混入率が高くなると相乗効果は薄れていくため、削減率は小さくなった(混入率を80%から100%へと変化させた際の削減率は0.5%). 4-3-2.交通流に及ぼす影響について 各エコドライブ施策の混入率に対する遅れ時間(走行1kmあたりの所要時間の増加分)と平均速度を見ると、速度抑制を含む施策(A,C)を実施した際、平均速度が40km/hまで低下する一方、加速度抑制のみ(B)では約50km/hまでの低下に留まった。遅れ時間は、エコドライブ車A,Cが20%混入時は約40s/km、100%混入時は約75s/kmとなり、エコドライブ車Bでは20%混入時は約30s/km、100%混入時は約40s/kmとなった。加速度抑制施策のみを実施した際の遅れ時間が小さいのは、対象とした道路区間において信号停止回数が少なく、また加速度抑制のみを実施するエコドライブ車Bの全車両の希望速度が80kmであることから、交通流全体の平均速度が低下しないためであると考えられる。

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