走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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62 4.交通流シミュレーションを用いた速度マネージメント導入効果評価 4-1.はじめに 自動車からのCO2排出量の削減においては、トップランナー方式の燃費基準のような自動車単体対策も効果をあげると考えられるが、乗用車の平均使用年数は12年を超えており、環境負荷の低い車両への代替には時間を要する。そのため、即効性の高いエコドライブの普及が重要である(参考文献 4-1)。一般に推奨されている「ゆっくりとした発進加速(ふんわりアクセル)」に加えて、「規制速度を遵守し、走行速度を抑制すること」によっても少ない走行エネルギーで走行でき、交通流全体のCO2排出量が削減されることが明らかにされている。 エコドライブを実施する車(以下、エコドライブ車とする。)が交通流に混入することで、後続車などの他車に対してもその運転行動が波及し、意図しないエコドライブ車が増加することで自動車からのCO2排出量の更なる削減が見込める可能性がある。しかしながら、エコドライブ車混入によって交通流が悪化し、却ってCO2排出量が高まる恐れもある。エコドライブを対象とした研究としては、マクロモデルによって都市域規模を対象とした加速度抑制による効果推計を行っている研究(参考文献 4-2)や運転支援システムによる自動車のCO2排出量評価(参考文献 4-3)(参考文献 4-4)、燃料最適化システムによる燃料消費量評価(参考文献 4-5)(参考文献 4-6)(参考文献 4-7)、運転行動変容施策によるCO2排出量評価(参考文献 4-8)(参考文献 4-9)などが挙げられる。しかし、ミクロレベルでの交通流を再現した上でのエコドライブの速度抑制効果も含めた総合的なCO2排出へのインパクト評価はほとんど行われていない。 本研究の目的は、茨城県つくば市の幹線道路の一つである東大通りを対象に、交通流ミクロシミュレーションを用いて、エコドライブ車混入時の交通量別CO2排出量削減効果を評価することである。具体的には、速度抑制および加速度抑制を行うエコドライブ車、さらには貨物車も混入した際の交通量別CO2排出量削減効果および波及効果を推計し、エコドライブのCO2削減効果を解明することを目的とする。 4-2.交通流シミュレーションの設定 本研究では、PTV社の交通ミクロシミュレータVissimを用いた。現地調査および国土地理院が提供している道路縁データを参考に、幹線道路である東大通りを含むつくば市中心地域北部の道路ネットワークを構築することとした。効果の計測は、希望速度に近い速度を実現できる道路長を持ち、右左折や信号による停止もある区間として、東大通りの一部区間(道路長1.5km、信号交差点5箇所あり)を対象とすることにした。昼間において主
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