走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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60 表 3.20 カタログ燃費達成率の高いトリップの走行特性 走行距離(km)平均速度(km/h)トリップ燃費(km/L)カタログ燃費(km/L)カタログ燃費達成率96.571.924.614.4171% 0102030405060708090111923735547359170982794510631181129914171535165317711889200721252243236124792597271528332951306931873305342335413659377738954013413142494367448546034721速度(km/h)走行時間(sec) 図 3.49 カタログ燃費達成率の高い走行速度パターンの例 3-4.まとめ 第3章では、道路の規制速度別に、スマートドライブの効果評価を行った。 ①規制速度30km/h以下の道路を対象として、30km/hを超える速度出過ぎを抑制するスマートドライブの効果評価を行った結果、以下の結論を得た。 ・都市内走行を模した法定の速度パターンである10モード、ECE15を用いた評価の結果、CO2排出量を3.5%、1.6%削減できる。 ・豊田市内でゾーン30が導入された元城のゾーン30地区を対象に、導入前の実走行データを用いて評価を行った結果、CO2排出量が2.7%削減できる。また、便益分析を行った結果、死亡重傷事故削減価値が153.4円/台kmであったのに対して、CO2削減価値は0.012円/台kmと僅かである。ただし、対象地区で年間0.8tのCO2削減が期待できることから、今後のゾーン30の広がりも考慮すると、豊田市で実施されているCO2削減事業と同じ程度の効果をもたらす可能性がある。 ②規制速度40~60km/h以下の道路を対象とした評価を行った結果、以下の結論を得た。 ・豊田市で実施されたエコドライブ社会実験の効果評価、改善要因を分析した結果、評価に用いるデータの期間や走行経路を適切に選定することで、これまでに報告されている評価結果(5.2%)より高いCO2削減効果(11.9%)を得た。 ・改善要因は被験者によって異なっており、大きいCO2削減効果がみられた被験者は、運転前後の無駄なアイドリングをやめたことが大きな要因となっている。走行中の運転操作

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