走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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58 これらの車両の試験結果は、文献資料(参考文献 3-3)に掲載されたものである。本研究では、そのうち、20km/h、40km/h、60km/h、80km/h、100km/hの一定走行で走行(定常走行)したデータのみを使用した。また、これらの25台は、中型車(ワゴン車、セダンなど)、コンパクトカー、軽自動車、ハイブリッド車から、偏りなく一般的な車種が選定されている。 図 3.47に、定常速度と走行距離当たりのCO2排出量の関係を示す。なお、縦軸は、全ての車両で100km/hでのCO2排出量を1としたときの相対値として表している。一般的な乗用車が定常走行する場合、40~60km/hで走行したときにCO2排出量が少なく(燃費が最も良く)、さらに高速で走行すると空気抵抗が大きくなるためCO2排出量が増加する(燃費が悪化する)という傾向がみられた。高速走行域をみると、100km/hから80km/hに速度を抑えることで、25台の平均でCO2排出量を20%程度削減できるという結果が得られた。このことから、高速道路では法定速度(100km/h)や規制速度(80km/h規制等)を超えた走行を行わないことが燃費改善に重要である。ただし、実勢速度と規制速度が大きく乖離している区間があることも事実であり、残念ながら、速度遵守が交通安全につながるとはいえない状況もありうる。 0.400.600.801.001.201.4020406080100CO2排出量の割合(-)(100km/h定常走行を1とした割合)定常速度(km/h)(n=25)100km/hから80km/hに抑えると、CO2排出量を約20%削減 図 3.47 定常速度とCO2排出量の関係

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