走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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36 050100150200HEV1HEV2HEV3HEV4HEV5HEV6HEV7HEV8HEV9HEV10アイドリング時間(秒)ターム1ターム3 図 3.24 ハイブリッド車の目的地到着からエンジン停止までのアイドリング時間 2)走行時燃料消費量削減の要因 燃費改善効果の内訳として走行時の燃料消費量削減効果が大きかった参加者(GV4、GV6、HEV2、HEV3)に注目し、参加者それぞれの運転操作の変化について考察を行う。 表 3.9に、各参加者の走行特性の変化として、1トリップ当たりの走行距離、アイドリング時の燃料消費を除いた燃料消費量、平均速度を示す。走行距離は3.9km~23.6km、平均速度は20.2~29.2km/hと様々な距離と速度を主要なトリップとする参加者が対象となった。なお、平均速度はトリップ1、3で大きな変化はみられなかった。燃料消費量は、GVで約9cc/km、HEVで約5cc/km削減された。 表 3.10に、各参加者のエコドライブ指標の変化を示す。エコドライブ指標として、表 3.8に示したWeb上のエコドライブ診断指標のうち、走行時に関係のある「ふんわり発進」、「非急加減速」、「早めのアクセルオフ」を用いた。また、HEV2、3では、ブレーキ信号のデータが得られず「早めのアクセルオフ」指標が算出できなかったため、走行時に燃料を使用しなかった時間割合と定義した「フューエルカット時間割合(Fuel cut)」と、走行距離当たりにブレーキで熱として「捨てられた運動エネルギー(Wasted kinetic energy)」を加えた。さらに、車両を運動物体と考えたときに走行距離当たりに「必要な運動エネルギー(Required kinetic energy)」を、走行速度パターンの変化を総合的に評価する指標として加えた。 表 3.11には、エコドライブ指標と走行時の燃料消費量の相関係数を示す。相関係数が-0.7以下、または、0.7以上と強い相関関係がみられたものにはマーキングを行った。

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