走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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32 同じ日数のデータのみに限定して用いることとした。以後、ターム3データとは、このように期間を限定したデータを指すものとする。なお、Webによる情報提供のみを行ったターム2よりも、LEDインジケータによる情報提供を加えたターム3において燃費改善効果が大きかったため、ターム3のデータのみを用いることとした。 2)走行経路の選定 運転操作以外の燃費影響要因として、利用データ期間に関連する気温変化等のほかにも、走行経路の違いや利用頻度の違いがあると考えられる。例えば、高速道路を利用した長距離走行は、市街地走行に比べて燃費が良く、長距離走行の頻度が高いタームでは燃費が良いということになる。 本研究では、燃費改善効果の大きい参加者に注目して、実際に、燃費向上に寄与した運転操作の変化を具体的に明らかにすることを目的としたため、評価に用いるデータには、できる限り運転操作以外の燃費影響要因が含まれていないことが好ましく、各参加者が日常よく利用する主要な経路に限定して評価を行うこととした。 日常よく利用する頻度として、各タームで、ターム日数の半分以上の利用があることとし、グループ1では10トリップ以上、グループ2,3,4では7トリップ以上とした。また、同一経路の判定は、同一の起点・終点の組合せを持つトリップを、プログラムを用いてほぼ自動で判別し、走行地点がわからない方法で経路の同一性を判定するなど、参加者のプライバシーに配慮した方法とした。 結果として、上の条件を満たす参加者は19名おり、その内訳は、ガソリン車9名(6車種)、ハイブリッド車10名(3車種)であった。 3)燃費改善率の評価 情報提供によるガソリン車の燃費改善効果を図 3.19に、ハイブリッド車の燃費改善効果を図 3.20に示す。なお、燃費改善効果は、ターム1に対するターム3の単位距離当たりの燃料消費量(cc/km)の削減割合として算出した。 ガソリン車9名(以下、GV1~GV9)、及び、ハイブリッド車10名(以下、HEV1~HEV10)の燃費改善効果の平均は、それぞれ、14.8%、9.3%であり、GVとHEVを合わせた全体の平均は11.9%であった。社会実験全体の成果として報告されている効果(5.2%)に比べて、大きな効果が得られた。これは、評価データの期間や走行経路を適切に選定し、運転操作以外の燃費影響要因の寄与を、できる限り少なくできたためと考えられる。 個別の改善効果を見ると、改善がみられなかった参加者(GV9、HEV9、HEV10)も3名いたが、悪化した割合は、それぞれ、0.9%、2.7%、3.4%であり、大きな悪化とはなっていなかった。一方、19人中16人(84%)の参加者で改善が見られ、その効果は、5.6%~36.8%となった。
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