走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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26 ・ガソリン代 ・時間価値 ・死亡重傷事故削減価値 便益分析に用いた換算係数を表 3.5に、走行台km当たりの便益として整理した結果を表 3.6に示す。便益の内訳をみると、死亡重傷事故の削減価値がほとんどを占めた。死亡重傷事故発生確率は、衝突速度と死亡重傷に至る確率(図 3.14)と走行速度の時間頻度(図 3.15)の積として算出し、死亡重傷事故削減価値の計算は30km/hを超えた走行をなくすことで、死亡重傷に至る確率が下がるとした。また、死亡重傷事故発生件数は、198件/億台kmとした。 日本の平均で生活道路延長1kmあたり年間18万台kmの走行があり、評価対象としたゾーン30地域の道路延長は約800mであることから、年間14.5万台kmの走行があると仮定でき、以下の考察を行った。 ・合計で年間約2000万円の便益があると推定される。 ・CO2削減の便益は、年間1740円と合計の便益に占める割合は僅かである。 ・ただし、年間0.8t-CO2の削減効果が推定され、今後のゾーン30の広がりも考慮すると、豊田市が行う事業の温室効果ガス削減量(運輸部門の各事業で、2~1,861t-CO2)と比べて、同じ程度の効果をもたらす可能性がある。 表 3.5 便益分析に用いた換算係数 項目 換算係数 出典 CO2削減価値 2,300円/t-co2 ・公共事業の費用便益分析に関する技術指針 ガソリン代 150円/L 時間価値 40円/分 ・費用便益分析マニュアル、平成20年11月、国土交通省道路局都市・地域整備局 死亡重傷事故削減価値 2.59億円/死亡1名・交通事故の被害・損失の経済的分析に関する調査研究 報告書、平成19年3月、内閣府政策統括官(共生社会政策担当) 表 3.6 30km/h遵守による走行台kmあたりの便益 項目 走行台km当たりの便益 CO2削減価値 0.012円/台km ガソリン代 0.35円/台km 時間価値 -5.8円/台km 死亡重傷事故削減価値 153.4円/台km

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