公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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69たなくて良い、混まなくて良いということにある。 関口 そうすると病院も大きな待合所は必要なくなる。今、病院で人があふれると係員が交通整理をしているが、そういうことも不要になる。 交通側も連携でスムーズに回れる。一番メリットがあるのはユーザー、ストレスがなくなる。そういうような格好にしたい。でも今システムは縦割り。外とつながろうなんて言う意識は全くないので、その辺をどうブレークスルーするモデルを作るかというのが、三方徳になるんじゃないかということでチャレンジしている。 加藤 今三つほど思いついた。一つは足助。足助は足助病院とあいまーるというコミバスがICカードで結ばれていて、ICカードで乗れて、足助病院のカルテと連動する。後は予約だが、予約はなかなかできないが、曜日運行なので、曜日と予約が連動している。病院はこういうものがあり得る。 ICカードはfelica系の全国カードか、地域カードかというのはあるが、地域通貨系の小さいものでもお年寄りや子供が使う機能と連動すれば、非常に意味が出てくる。 2点目は枝光。坂の上の高齢化した住宅地と谷底にある古い商店街を結びつけるとすごいシナジー効果が出て、それをトントンでタクシー会社がやっている。こうしたものを全国的に出していければ。これは商店街や地域とのコラボレーション。 最後は市之倉。朝晩はよぶくるバス。これは黒字。スマホか携帯予約。実際には予約率が高いので予約をしなくても乗られることが多いが、これからはスマホ予約・配車が一般的になってくるとそれを応用すると、デマンド乗合の短距離のものはかなりできてしまう。ただこれは通勤通学で若い人が使うからできる。昼はトライアングルバス。これが赤字でよぶくるバスの黒字で支えている。ただ協賛金がある。利用するのは高齢者なので予約は電話。この昼のトライアングルバスと朝晩のよぶくるバスで、地域全体で平準化する。 スマホとか協賛がそのトリガーになっている。ただ、バスはほとんどなくなった。 そのあたりが普通のタクシーとは違って、タクシーサービスを活用して何ができるかということの好例になっている。 市之倉でも枝光でも言っているのは、タクシーも欠かせないと言うこと。それをやっていることでタクシーを呼んでくれる確率も高くなるので囲い込みにもなる。タクシーのPRとしても使える。その辺をパッケージにして見せる。 福本 枝光は乗合の赤字は広告料と言っていた。 加藤 それもタクシーが増えているからペイできている。 そういうモデルをもっと一般化するというのをやってはどうか。単に多角化で

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