公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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67に任せれば良い。昼間も。 加藤 URが開発したところだと、クルドサックや歩車分離になっているので、カバーするのが難しいし、逆に民間開発だと中の道路が狭くては入れない。そして高齢化してきている。そういうところは狙い目。タクシーがこういうところで高齢化してきたから乗ってくれると思っていると、そんな甘いものじゃない。多治見のようにタクシーを排除する場合もある。 福本 豊田で言うと大規模事業所がたくさんあって、出張してくる人も多い。同じ会社に行く人もいるわけで、乗合もあり得る。 加藤 元々豊栄交通が土橋からトヨタ本社をやったきっかけはまさにそれ。タクシーがすごく多いのでバスにしたら乗るのではないかと言うこと。ただ20分に1本とかでは駄目。随時じゃないと乗ってくれない。電車が15分に1本なのでそれに合っていなかったとか、駅前に乗り入れられなかったなどいろんな課題があったのだろうが。そこもうまくやれればもっといろいろできたかも知れない。 関口 東京でこころタクシーと一緒にやっていることと、最近議論を始めているのは、相模鉄道。横浜市の新しいまちづくり一つ。相鉄が開発した緑園都市。買われた当時は1億近い家も並んでいる瀟洒な住宅街とマンション。大学も誘致したところだが、そこが一気に引退を迎えている。団塊の世代。新しく作った町なので、自治会の人と会うと、上場企業の役員だったり管理職であったりを一通り経験した立派な意見の持ち主が多い。旦那がたの意見を聞いていても仕方ないので、健康教室でお母さんの意見を聞くと、みんな元気なのだが、10年後が怖いという。なぜかというと、駅が谷底にある。スーパーも駅にしかない。今は運動だといって歩いて行くのだが、行きは良い良い、帰りは、になっている。年を取ると重い水を持って上がれるかというと上がれない。そこで自治会がバスを通すと言い出して、相鉄や神奈川中央交通と交渉すると、一日売り上げが5万円上がるなら走らせてもいいということだが、その地域を見るとだいたい3km圏内。人口16000~20000人くらい。そんなところにバスを走らせても絶対に採算が取れないという。そうすると入れてもすぐに撤退。そうするとあの地域は困ってしまう。町の活性化も含めて今提案しているのが、地域の中小距離のみんなで共有できるような移動体。ただこころタクシーでも共通している悩みは、経営者の皆さんがタクシーの経験の中で車単位か人単位かで計算をするのかというときに、時間当たりつまり、人で計算しないと、こういうサービスをするためには、歩合と言うよりも時間当たりいくら払うという勤務形態に変えないといけない。労務体系を変えないといけない。そうすると労務管理は人が1時間当たりどのくらい稼ぐかというKPIに変えないと事業検討ができない。車の投入とかシステムをやっているが、バックヤードの費用の問題と労

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