公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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65院や商店には行きたい。とすれば距離は短いので安い乗り物が最適だと考えている。もしそれが100円のバスと言うことになると、1時間待ってでも乗る人は乗ってしまうのでタクシーは客が取られる。ただその人数はたいしたことはないので、タクシーは営業できなくなるし、バスは不便ということになってしまう。なので飛騨市では濃飛バスをどうやって懐柔しようかを考えている。 ゆえにエリアタクシーは小さいところで乗合で、許可は乗合であるものの、タクシーの業態そのままでやることができる。乗合は4台までであれば乗用許可でできるので、地域公共交通会議にかけたとしても乗用の許可や運行管理者でできる。これであれば小さな事業者にとっても負担が少ない。そういうことを考えている。これは都市部でも小さな学区などで応用できると思っている。そうすれば名古屋の地域巡回バスの乗らない路線はやめることができるのでは。1時間に1本で数人を運んでいるバスを走らせているくらいであれば、その辺にいるタクシーを活用してはどうか。ただ、あまり長い距離を走ると普通のタクシーやバスを蚕食するので、短いエリアで安くすることで棲み分けを図る。宮崎先生のいうような、それぞれのところでそれぞれの解があるというのはコンサルティング的にはそうだが、それを言い出すとこうした枠組が瓦解してしまうので、できればモデルを出せると良い。 私が考えているモデルは、1つめは、富士宮や小那比のように非常に郊外のところと市街地の間を半定時定路線的に、ただし郊外をデマンド、そして小那比は地域で組合を作って組合で段取りをするというやり方だが、富士宮はそれを市がやっている、どちらでもいいが、郊外と都心を結ぶというやり方は中山間でも応用できる。2つめは、都心の小さいが歩くのはきついところ、最近は医院や処方箋薬局も分散しているのでそういうところをカバーできる小さなエリアデマンド、その2つを提案して、それが町中で使えるかと言うことをやってはと思っている。あとはミゴン。これは深夜需要と昼需要を平準化できるかということ。これもタクシー業界の課題。先ほど、女の人は隣に男の人が乗ったら嫌だという話が合ったが、ミゴンは乗っている。酔っているからわからないのか。さらに安いのでそれに代えられないと言うことか。 福本 夜になると、車内で男性の隣だが運転手がいるので何もされないだろうというのと、夜道を歩いて帰って何かあると怖いということのトレードオフになるのだろう。 加藤 ミゴンの良いところは家までは行かないが、経路上どこでも自由降車なので、家に一番近いところで降りられる。あるいは明るい道のあるところで降りられる。あおい交通はあれを夜やることで、昼、桃花台センターなどの輸送をやっている。そうすれば自力で補助も入れないで、運用の変更もしないでできる。さらにこまき巡回バスとの役割分担もできている。モデルとしてはそういうも

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