公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
64/74

62協会でまとまるのは無理だが、個別に福祉に特化したりという会社もある。 高松の場合は最も大きな事業者も80台くらいで、高松交通圏の1割程度なので、小さな会社が多い。今後小さな会社は地域の人からの利用がメインだが、今後人口が減っていくと運ぶ人がいなくなってしまうので、縮小してしまう。田舎に行くと特化してやっている事業者がある。 対象地域では入れそうなところに入って、きちんとコンサルティングをしてはどうか。 川地 最近経営者と話をしていると、1時間車を動かしてどれだけ稼げるか、1人のドライバーが1時間でどれだけ稼げるかという観点が強くなっている。例えば、午前中3時間に1台動かしてどれだけ儲かるか、車はセダンにこだわらないがどれだけ売り上げを上げられるかということが強くなっていて、短距離サービスも時間でどれだけ乗せられるかが見えてこないと、事業者はなかなかやろうと思わない。それは山間地でも都市でも最低賃金は変わらないので、そういう視点を思った。 逢妻の例で、住民からタクシーは嫌だという話があったわけだが。 福本 セダンのタクシーが嫌と言うよりも、地域バスというものを目指していたのにタクシーになったので嫌だと言うこと。 川地 このまとめの方向はタクシーを活用してと言うことだが、使う人から見ると使う人は箱にこだわるのか、何にこだわるのかがわからない。箱にこだわっているかと思うとそうでもなかったり、セダンのデマンドがなじんでいるところもあるし、そうでもないところもある。 宮崎 ある自治体でバスに乗りましょうと話をしているときに、集落の特性にすごく影響する。ある地区ではあの人とは乗り合いたくない、タクシーは近いのでよりそう思う。自分でタクシーを呼ぶか自分で運転するか。別の集落ではうまくいっていて普段から近所の人が乗せていく。そういうところでは乗合もうまくいく。一概に何とも言えないが、地域の特性にすごく影響されるという気がする。 福本 箱にこだわるという意味では、高齢者はそうでもなくても、若い人はそうかもしれない。高校生とか若い女性が見ず知らずの人と横に座っていくのは嫌だと言うことは聞く。 宮崎 田舎に行くと、乗り合わせるケースが結構多いらしい。片道1人で5000円くらいかかっても、近所の人で乗り合わせて割り勘をするということはあるようだ。短距離が良いのかというのは、町中に営業所があってその周辺なら良いが、営業所がなければ嫌がる。 ある自治体では町中に営業所があって、そこから離れた集落の足をどう確保するか、というときに幹線バスまでフィーダーで連れて行くのか、どこか違う病

元のページ  ../index.html#64

このブックを見る