公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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57加藤 中山間は女性社長が多い。お父さんは別のことをやっていて、お母さんが社長をやっているというのがある。それでもできるということ。ちょっと大きいところだと会社組織になるが、観光地でさえも収益を出せる状況にない。 観光地だと逆にバスがあったりする。 この地方ではあまりないが、デマンドが盛んなところは全部取られているというのもある。 福本 自由意見を見ていると、コミバスやデマンドに客を奪われているという恨み言がたくさんある。そちらに行政補助があってタクシーに行政補助がなぜないのか、とかこちらのほうが安くできるとか、行政に無視されていると言うことも書かれている。 加藤先生の言うように、コミバスやデマンドと福祉有償に挟撃されていてもともと少ないパイを奪われている。 とはいうものの、田舎であればコミバスのサービスも最低限だし、タクシーも零細でもできる。大きなところはコミバスから漏れているところが多く出てくるので成り立つ。(小)のあたりはそういう意味では厳しいかもしれない。コミバスが中途半端に充実していて。 加藤 それはタクシー会社では受託できないし。 福本 (小)は大きなバス会社があるところが多い。そういうことを反映しているのかもしれない。 加藤 バス会社が存在しなければタクシー会社の存在意義が出てくる。逆に大きなところだとタクシー固有の需要がある。10~20万くらいのところバス会社がコミバスをやってしまっているし、小さいところだと福祉有償がやってしまっている。 宮崎 バス会社がコミバスをやらない方が、地域にとってはタクシーが残ると言うこと? 加藤 それはあるが、そうするとバスが残らなくなる。 宮崎 ある自治体ではバス会社がいるがタクシー会社にコミバスを委託しているところがあるが。 福本 単に安いからということではなくですか? 宮崎 わからない。でも、つい逆の方が良いんじゃないですかという話をしてしまうが。 加藤 バスとタクシーを渾然一体としてやっている平和コーポレーションやあおい交通であればそういうメリットも出てくるが、通常は別々。系列であっても入札でたたき合いになることもある。 山崎 地域毎の泥臭い話がありますかね。 加藤 私としてはこういうのはこういう会社にやってほしいというイメージは持ちな

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