公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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56れない。 加藤 高山は本当に厳しいと聞いている。観光客は水物で、バスも充実してきたし、日常は福祉有償が多い。東濃東部、西部も厳しい。伊勢志摩・松阪も廃業が出ている。このあたりは厳しいようだ。伊豆は観光客がここ5年で3割減していて厳しいと聞いている。 福本 田舎に行くと極限まで人数も台数も少ないので成り立つのだろう。 加藤 成り立っている間は現状維持という考え。 宮崎 経営者の年齢も大きく影響しているのでは。 山崎 跡継ぎがいない。 福本 跡継ぎがいないのはあちらこちらで聞く。 宮崎 経営者の年齢が体力的に限界というところはそろそろ廃業というところか。そういう意味で田舎で新規事業者が出てくる場合がある。放っておくとタクシーがなくなるので若い人が何とかしようということで、建設業者がタクシー会社を立ち上げたという話も聞く。 福本 福祉タクシーにそういう話をよく聞く。建設業者だと大型や二種免許持っている人がいて、建設も厳しいので遊ばせておくよりもタクシーやバスに参入するなんていう話を聞く。 宮崎 先ほど出た、高山や伊豆などの観光地でタクシーが厳しくなっている?聞いたことがあるのは、津和野はタクシーがなくなった。 加藤 3セクにするという話。 福本 観光がクルマになっているのか? 加藤 レンタカーか送迎バスというところが多い。高山でも送迎バスが駅前に大量にいる。ホテルや温泉であれば主なところはタダで行けてしまうので、タクシーをわざわざ使わない。 福本 タクシー協会からもらったデータを一覧にしたものを見ていただくと、高山や武生、東濃東部、西部を見ると、実車運送収入などに傾向があるかもしれないが。 加藤 決して良い数字ではない。 福本 データが最近手に入ったので分析できていないが、今後していきたい。 加藤 高山では日常利用ではのらマイカーが100円、通院だと福祉有償が8回転ぐらいしていて、代表が我々で無理なものをタクシーにお願いしているという発言も出る。福祉有償とコミバスの挟み撃ちにあってしまっている。観光利用もワンメーターなどであればどうしようもない。 福本 担い手もいなさそう。中山間の零細であれば家族経営だが、台数が必要なところはドライバーがいないとできないというのがありそう。

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