公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
57/74

55福本 名古屋以外では、受託者として出ているのだろうと言うことは想像がつく。ただ、傍聴しているという割合は非常に低いので、タクシー会社がこういう会議をウォッチしているというのは少ない。 多田 それは関心がないことの表れだと思う。 加藤 愛知県の名古屋から離れたところはタクシー協会の支部長として出ている。困るのは、専務理事が話すことと、支部長が話すことで見解が異なるということ。支部長だと自分の会社のことを話す人が多い。一方で、多田さんの言うように協会としてアピールしても、加盟者がそういう意識がなければ実効性もない。そういうのは戸惑うことが多い。そういう意味でこの解釈は難しい。 福本 都市地域(小)について思ったのは、ここに分類された自治体は公共交通に関する取り組みをしていないところが多いのかもしれない。中山間地域では何かしらをやらないとなんともならないので公共交通会議を持って、自主運行のバスなどをやっており、(中)(大)になると余力があって行政施策として公共交通に取り組んでいるが、(小)のところに当てはまる自治体にはそういうことができない自治体があるかもしれないと思った。 宮崎 一つの自治体だが、タクシー事業者が仲が悪くて複数の協会を立ち上げたというケースもあるので、そういうのも影響しているかもしれない。愛知県下ではそういうことはないですか? 福本 あまりそういうことは聞いたことがない。 加藤 その地域のタクシー業界の仲は大きく関係する。 加藤 多角化というのは、運輸業の中の多角化と、全く別のことをやるというのがあるが、どういうことか。 福本 選択肢として運輸業をいくつかあげているが、その他の欄を設けた。ただ、その他の回答はごく少数です。 加藤 運輸業かどうかで全く違う視点になる。運輸業だと、小さなクルマを持っていることを生かしながら何ができるかと言うことになるが、全く別のことをやるというのは想像も付かないことも出てくるかもしれないが、そこをきちんと考えておかないといけないという気もしている。運輸業の中だけで考えるときつい。あるいは防犯や福祉というのもあり得る。あとは小さい会社だけではできないが、横型の連合を作るというのもある。 福本 (小)の地域で縮小の地域が多いのが際立っている。 山崎 事業者の規模で見ると? 福本 薄まる。つまり、(小)の地域の事業者は大きかろうが小さかろうが縮小したいと考えているということ。 山崎 地域の需要、ポテンシャルの影響か。 福本 田舎は田舎なりに成り立っているが、中途半端なところが逆に厳しいのかもし

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る