公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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43が供給されていないところの移動で使っている。 加藤 タクシーは非日常の乗り物? 玉木 我々の感覚で言うと、非日常か、あるいは日常にどっぷり組み込まれているかのどちらか。非日常はビジネスユースで地元でないところに行ったときに使うということで、日常という意味ではコミュニティバスに乗れないような病院に通う人が定期的に使うという意味。 加藤 狭い市場ですね。 筒井 デマンドの運行に関しては、タクシー事業者からすると午前中の暇な時間をデマンドを受けることで固定的な仕事を増やすということもありなんじゃないか。 福本 自分がタクシーを使うのは、子供が熱を出した時や、どこか全然知らない土地で行きにくいところ、海外に行った時、重たい荷物もを持っている時、親が子供に会いに来た時、飲み会で遅くなった時など、どれも非日常。そういう波動的な需要をターゲットにしているということになる。個人にとっては年に何度もないことでも、それが沢山の人でならせば毎日起きるからタクシーが成り立っていると解釈すれば、地域区分の指標も考えにくい。 加藤 需要として「その他」。ただ、それは突発的なので、そこら中に電話番号を見せておいて、いざというときにかけてもらえるようにしておくということ。 山崎 日常の利用にどっぷり使っている方々もいる?ごくわずか? 玉木 透析で必ず週何回か行かないといけないが、一般の公共交通を使えない人など。山崎 そういう方はだいたい行政から何らかの補助が出ている? 玉木 そうです。 山崎 やはり自腹でタクシーを日常利用しようと思うと大変。 加藤 福本さんの奥さんはタクシーには乗らない? 福本 乗りません。何度か嫌な思いをしたので乗りたくないということです。 加藤 うちの妻はずっと子どもと一緒にタクシーに乗っていた。 タクシー代が月に2~3万かかっていたが、クルマに乗るより安いというのと、安全というのがあった。 山田 私も大体月に15000円くらいはタクシーに乗る。1回が1000円位なので距離は短いが、月に15回位タクシーを使う。そういうパターン化している、それを日常というのかどうかは分からないが、1000円支払ってもそれだけのメリットがあれば乗る。バスを使うのと同じ感覚。ただ、高齢の方は経済的に対応できるかというのがあるので、ターゲットとして弱い。 福本 豊田の場合はタクシーに1回乗ると3000円を超える。施設が全て遠い。往復で5000~6000円かかってしまうので、日常的には使えない。 それだけ払うのにあんな態度だから嫌だという。

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