公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
43/74

41そうすると、尾鷲は中電などの企業があってビジネスがあって、熊野は福祉有償に登録するような人ばかりということなのか。そうすると、若いところの利用がクリティカルなのかもしれない。 福本 先ほどの高齢化率の議論で言うと、福祉有償もあるからなんとも言えないかもしれない。 加藤 通常は福祉有償はタクシー輸送の多くて数%なので無視してもいいようなものだが、場合によってはこういうところもある。 筒井 実際に福祉有償運送を実施するときは、タクシー業界に会議の中で了解を得ないといけないわけだから、タクシーの数%ぐらいじゃないと認められないはずだが、福祉有償のほうが大きいというところではタクシー事業者も事業存続ができないということになって、お客を奪われてしまうというおかしなことになっているわけですね。 山崎 そもそも事業者がいない? 福本 福祉タクシーは結構あるが、一般タクシーは少ないところ。元々ニーズはあったが、タクシーのないところに福祉有償が始まったということでは? 加藤 そもそも福祉有償の対象にならない人はクルマに乗るので、福祉有償かクルマかということでタクシーはなくなってしまう。 福本 であれば、高齢者も高齢化率ではなく、高齢者免許保有率などを入れる必要がある。でも、免許を持っているだけで使っていない人もいるし・・。 加藤 マクロに見るので、細かくなくて良い。 どういう需要がクリティカルなのか、という構造を明らかにして、それに関係するマクロな変数をいれこむということをやらないといけない。 福本 地域分類はいただいたコメントをうけて、やり直してみたいと思う。 加藤 クラスター分析はとりあえずは出るが、解釈が難しい。変数選択が大事なので、決定構造の仮説をきちんと考えてやることが大事。 福本 大阪大学の猪井先生や香川高専の宮崎先生もタクシーに問題意識を持っているが、どういう調査をするかということなどはやはり難しい。 加藤 タクシー協会さんとしては、協議会でどういう分析をやらなければならないというメッセージを、この研究会のものとして出していってはどうか? 協力をお願いするなどのことをやってはどうか。 山田 今回の法改正の趣旨が、休減車という供給量をどうするかということも大事なことなのだけれども、それよりも活性化をどうするかという風に観点を切り替えないといけないので、やりたいことは何かを自ら整理する必要があると訴えている。クルマを減らして日銭がそれなりに入ってくるというだけでは、地域の足としてやっていけるかどうかが見通せないので、自らがやろうとすることをどういうふうに見せられる形にするか、見せれば需要は出てくるはずなので、

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る